剣引き・レバー式の使い方


レバーや剣を引くという名前の通り、小さなレバーを引き出して時刻を合わせます。

レバーを引き出して時刻を合わせる

剣引き・レバー式の名前の通りで、小さなレバーを引き出す・剣を引くように操作をして、リューズを回して時刻を合わせます。
レバー式の時計は、見た目にはリューズで時刻を合わせるものとほとんど違いがありません。
古い懐中時計に主に見られるタイプで、腕時計の中にも数は少ないながら、同じ機構を持つものがあります。
リューズを引いて時刻を合わせる時計ではないため、リューズ自体はあるものの、リューズを引くことができない、無理に引くと壊してしまうことがあるので、気をつけて欲しい作りの1つです。

 

 

時刻の合わせ方

 

手順① レバーを探す

文字盤側の風防を保持しているベゼル(ガラス枠)の回りを見回してください。
爪先でやっとかかるほどの小さな突起が見つかりましたか?これがレバーです。

レバーを探す

 

手順② レバーを引き出す

以下の写真はレバーを引き出した時の状態です。
下図のように小さなレバーの先端が、爪先を引っ掛けられるようにL字に曲がっていますので、そこに爪先をひっかけます。
レバーを引き出した状態

上の引き出した状態をイメージしながら、L字になっているレバーの先端に爪を掛けて、ゆっくりと引き出します。
レバーを完全に引き出したら、引き出した状態で手を離してください。
古いものの中には、状態によって引き出したレバーが勝手に戻ってしまい止まらなくなっているものもありますので、その場合は爪をかけたまま引き出した状態で留めておいてください。
レバーを爪先にかけて引き出す

 

手順③ リューズを回して時刻を合わせる

レバーを引き出した状態でリューズを回すと、短針と長針が動いて時刻を合わせることができます。
時刻合わせが終わったら、絶対に「レバーを押し戻して」ください。
レバーを戻し忘れると、表蓋を閉める際にレバーが挟まって変形してしまうことがありますので、時刻を合わせたら必ず戻す習慣を付けてください。

 

 

ぜんまいの巻き上げ

基本的にはリューズがあれば、リューズ式の巻き上げと同じです。
剣引き・レバー式は、時刻合わせにのみ関係する形式です。

 

 

剣引き・レバー式のご注意

きっちりと操作をする

長針・短針がちゃんと回らない、回ったり回らなかったりと空回りしているように感じるときは、レバーが完全に引き出されていない可能性があります。
レバーを一度押し戻してみて、改めてしっかりと引き出してから時刻合わせをして、再度違和感が無いかどうか確認してください。
それでも違和感のあるときは、爪を掛けたままいっぱいまで引き出した状態を保持、そしてリューズを回してみてください。
時計の中には、レバーから手を離すと少し戻ってしまうものがあります。

 

リューズは引かない

個体によってですが、「剣引き・レバー式」の機械でも、リューズを引くことができる場合があります。
ただしリューズを引くことができるものでも、剣引き・レバー式の時刻を合わせる際には、リューズは引かない状態で上記の作業を行ってください。
リューズを引いて作業を行うと、巻き芯がリューズ側に引かれた状態になり、時刻合わせをする位置に巻き芯が届きません。
レバーが引き出された状態であっても、リューズを引いた状態でリューズを回すと、時刻を合わせることができないのはそのためです。

 
リューズが引けるものは、時計の操作のためではなく、修理などの際にケースから機械を取り出す際に使います。
またこの時代の時計は、機械とケースが別で作られていたことや、時代的に剣引き・リューズ式という時代の変わり目ということもあり、機械を取り出すため以外でも、ケースのリューズを引くことができる場合があります。

 
 

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