細やかなケース装飾が光る
ほど良いサイズで使い勝手の良い、6サイズと呼ばれる大きさのウォルサムの銀時計。
小型ほど小さくなく、そして大型ほどかさばらない、ポケットに収めて心地よい大きさが現代ではこのくらい。
当時のウォルサムとしては、定番の陶製の文字盤・ブルースチールの針を特徴として持つものですが、どことなく愛嬌があってホッとできるデザインと言えるでしょう。
特記してあげるとするなら、ケース装飾の細やかさ。
ケースの表面にはガラス縁の周りに、びっしりと施された突起状の装飾が立体的で陰影があって渋い印象。
側面にはコインエッジと呼ばれる、これまたびっしりと刻まれた模様があり、裏面には表面のデザインを受けるように外側に突起状、その内側にはびっしりと細やかな模様が施されています。
英語ではサイドワインダーとも言われますが、時計の12時を正面にすると、リューズが右側に位置します。
12時が上に来るタイプとは少し違った雰囲気で、このような形もまた良いものです。
アンティークの雄ウォルサム
時計と言えばスイスという時代から、アメリカに技術が渡り時計文化が栄えていく、その時代を支えたウォルサム社。
アンティークでは良く聞かれるものですが、当時日本への進出にも力を入れていたメーカーでもあります。
腕時計時代になると、他社に押された形になりますが、懐中時計時代には華やかなメーカーで、今でもアンティークのファンが多いメーカーの1つです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
定番のスタイルですが、それだけに落ち着いて安心して使っていただけると言えるでしょう。
ローマ数字に赤い分表示、そして渋みのある銀ケース。
サイズ的にも程よく装飾も綺麗なもので、初めての懐中時計としてもお勧めです。
状態
特記事項はありません。
希少性
定番の1つではありますが、ケースが綺麗で状態が良いとなると、見つかりにくいものではあります。
贈り物
アンティークらしい作りの1点で、贈り物としても非常にお勧めできる1点。
アンティーク好きには定番のものであっても、今まで手巻き時計・懐中時計に触れたことが無い方なら、とても新鮮に映るものです。
備考