魅せる職人技
アンティーク時計、そして中でも懐中時計に人気があるのが、老舗であるウォルサム。
100年という世紀を超えた時代には、現代とは違って、まるでオーダーメイドのように、時計それぞれに手を掛けられた個性がありました。
それこそ始まりは、定番のシンプルなものから、文字盤・針の形を変えて、さらにこだわりを加えることができたのがそのケース。
一見、同じ懐中時計であっても、そこには使い手の様々な思いが見てとれるものです。
剣と鏃を束ねて
この時計の美しさは、やはり装飾されたケース。
光沢あるシンプルなケース面でありながら、その中央には、アンティークだからこそという装飾が施されています。
その装飾の形を例えると、個々を見ると、まるで5本の剣と6本の鏃が束ねられたようなデザイン。
剣先には小さなナチュラルカットのダイヤモンド。
現代でダイヤモンドと言えば、ブリリアントカットのように、複雑な光沢を見せるものが入れられるべきところですが、この時代ならではの、自然なままのカットがまた、時代を物語るように味があるものです。
その反対側には、この時代ならではのイニシャルの彫り。
ケースの側面にはドット模様が並び、アンティーク感をたっぷりと味わうことができる作りです。
文字盤にはシンプルなローマ数字、艶ある白色の文字盤にブルースチールの針と、蓋を開くと、アンティーク時代の懐中時計の顔もしっかりと楽しめます。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ケースの装飾に見られるデザインは、やはりアンティークならでは。
その形の示すものは、知る由もありませんが、そこから伝わるデザインの勢いや力強さ。
古き時代の形を踏襲したデザイン作りは、時代の変わった現代では楽しむことのできない、アンティークならではの面白さです。
状態
ケースの内側の面には、経年変化の出ている部分があります。
装飾面も平面で使用による軽い傷などはありますが、ほとんど目立たないものです。
(写真の中で1枚、意図的に目立たせるように撮ってあります)
希少性
文字盤は当時の定番の形ですが、ダイヤモンドの施された彫りはケースメーカーで、裏面のイニシャルの彫りは、販売店で施されたもの。
同じ状態・同じ組み合わせのものを入手するのは、なかなか難しいものです。
贈り物
ケースの内側に経年変化は出ていますが、外側の面や装飾の美しいもので、全体的な状態の良いもの。
時計としてのデザインや作り、雰囲気も良く、アンティークらしさの楽しめる特別な1点です。
備考
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