美しき金時計
「バセロン・コンスタンチン」。
名前の表記を読まれて「あれ?」と思われた方なら、長い間、アンティーク時計に興味を持って頂いてる方かと思います。
昔の日本語表記では、「バセロン・コンスタンチン」の名前が一般的な呼び名でした。
今も昔も変わらない、超高級メーカーとして知られる1社で、世界三大高級時計メーカーの1つ。
歴史が古いと言われるメーカーの、さらに100年は遡るほど創業は1755年と非常に古く、時計メーカー最古という歴史を併せ持っています。
この時計は、そんな歴史あるヴァシュロン・コンスタンタンの金時計。
時計自体の装飾が非常に綺麗なもので、その装飾を眺めているだけで、ついついその精巧さに目が離せなくなってしまうほど。
特に裏側の黒のエナメルと金の装飾が素晴らしく、そのデザインもさることながら、このように仕上げるというデザイン性の高さ、そして技術の凄さにため息が出てしまうほどのものです。
この時計は時代的なことですが、当店で扱う懐中時計の中でも、一世代古いものになりますので、その操作も「鍵巻き式」という小さな鍵を使って、ぜんまいを巻き上げまた時刻を合わせるという作り。
操作をするには裏蓋を開けて頂く必要があります。
本来ならリューズがある部分に、裏蓋を開くボタンがあり、そのボタンを押すと、時代を感じさせないほどに、裏蓋がスムーズに開いてくれます。
そしてそこに現れるのは、時計の内側でありながら、操作をする際にも時計の素晴らしさが感じられるようにと施された、内蓋の装飾もまた抜かりの無い美しさ。
ぜんまいを巻く、そして時刻を合わせるという操作も優雅に楽しめるというものです。
時計の顔である文字盤はシンプルなものですが、それもまた時代というもの。
秒針が無いというのも、すっきりとした上品さを与えているもので、秒という時間に追われないという点では、この時計には必要のないものでしょう。
時計の薄さ・サイズの小ささという点でも、大きく厚みがあって当然というこの時代では、歴史と名前の特別さを感じます。
時計を際立たせるネックレス
この時計にこのネックレスあり。
時計の特別さを際立たせてくれるのが、合わせられているアンティークの特別なネックレス。
これはこれだけで、また非常に特別な1点物。
装飾部分の裏側をご覧頂くと、懐中時計を掛けることができるフック状になっているのがお分かりいただけるはず。
時代的にこのようなネックレスが作られたのは、懐中時計が一般的に使われていたその時代まで。
時計を持つことが特別であり、紳士淑女と呼ばれる時代であり、女性がドレスを着て着飾っていた時代。
それに合わせられるもので、華やかに彩るネックレスの先に、高価な懐中時計も装飾の一部として合わせてしまう。
装飾品はもちろん時計もその富を象徴する一部であった時代で、本当に贅沢を重ねた時代に作られた1点物です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時計単体としても特別なものですが、合わせられているネックレスも特別品。
アンティークの「らしさ」であったり、その風格・技法、またその使い道が、この時代ならではで非常に個性としてよく出ています。
現代に近づくにつれて、その形も大きく変わっていきますので、そういったヴァシュロンの歴史を感じて頂けるのもまた1つ。
機械に見える、VEUVE C.VACHERONとあるように、バシュロン・コンスタンタンの名前に変わる頃のもので、非常に古い時計の1つ。
その当時に使われていたように、ネックレスとして身に着けて頂くのかは別にしても、とても魅力のある組み合わせです。
ネックレス自体は、ヴァシュロン・コンスタンタンのものではもちろんありませんが、お届けに当たっては、改めてネックレスの強度の確認・調整も行ってお届けをさせて頂きます。
状態
写真を掲載していますが、文字盤の7分の外側の縁の部分に小さな欠けがあります。
ちょうどネジのある部分で、昔の修理の際に欠けてしまったものだと思われます。
蓋を閉じた通常の状態では、ほとんど見えない部分になります。
希少性
ヴァシュロン・コンスタンタンというメーカーから、そもそも数自体も少ないもので、ネックレスも同様に非常に珍しいものになります。
贈り物
時計そのものだけでも特別ですが、ネックレスと合わせたその姿が非常に特別な物。
どなたにでもお勧めできるものではありませんが、ブランドにしても時計そのものにしても、明確に一線を画した1点です。
備考
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