銀器で知られたティファニーの銀時計
あのティファニーに、こんな懐中時計を作っている時代があったなんて、と驚いて頂ける1点かと思います。
現在でこそ、ティファニーと言えば高級ジュエリーですが、100年以上前にはその時代ならではのもの、銀器でもその名を知られていました。
アンティークでティファニーの銀器と言えば、プレミア的な人気のあるコレクターズアイテム。
この懐中時計は、そんな銀器でも知られた、ティファニーによる銀時計。
歴史の証人たる貴重な1点を眺めて頂くも良し、身に着けて楽しんで頂くも良し。
小さくシンプルな懐中時計ながら、しっかりとした主張がある。
この時計を手にして、「どのように使ってあげようかな?」と想いを巡らせるのは贅沢な楽しみ方。
ショーケース等に飾って頂くのも面白い、合わせる服装を考えながら、お供として身に着けて頂いても楽しい1点です。
素朴ながらも際立つ大人の雰囲気
この時計が作られた年代は、すでに時代としては完全に腕時計に移行していた時代。
時代背景的に考えると、懐中時計を好んだ方のためへの特別品で、言ってみれば古き良き時代を知る方のための時計と言えるもの。
懐中時計そのものとしては、とてもシンプルな作りではありますが、しっかりと「懐中時計時代」の特徴が楽しめるのが1つの特徴。
ケースの素材には銀を用い、懐中時計全盛期の特徴をそのままに詰め込んだ、陶製の文字盤にブルースチールの針。
時計に合わせられているのは、水色のエナメル装飾が施されたフルール・ド・リスの形の銀製のピン。
フルール・ド・リスのデザインも西欧アンティークならではで、色や雰囲気、時計との組み合わせが絶妙ではありませんか?
(フルール・ド・リスは、このピンの形のことで、西洋アンティーク、また現代でもヨーロッパを中心に国旗・州旗・西洋の家紋など様々な場所に使われています。)
文字盤にあるTIFFANY & Coともう1つ、「SWITZERLAND」(スイス)の文字。
これもまた1つのポイントで、当時の信頼ある時計といえばやはり時計のメッカであったスイス製。
ここにもティファニーならではの、この名前に隠されたこだわりがあります。
ティファニー自身は時計メーカーではないものの、他の「ファッションブティック」メーカーとは大きな違いがあり、時計としての信頼も合わせ持つのがティファニーのアンティークの良さ。
時計の販売を始めた頃から一貫して、老舗の時計メーカーとの合作になっているのが、ティファニーのアンティーク時計の特徴。
この時計も当時数々の賞を受賞していた、スイスの高級メーカーロンジンとの合作。
当時の一流時計メーカーであったロンジンによって、ティファニーのために作られたものですが、そのロンジンが機械に「EXTRA QUALITY」特別品と刻印するほどの品。
現代でもスイスの時計博物館で、創業当時からの製造シリアル番号を管理するほどの一流ブランドであるロンジン。
期待を裏切らない・現代にも続く名声の裏付けが、すでにこの頃のティファニーの姿勢からもわかります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
とても雰囲気の良い組み合わせ、時計を着けることを改めて考えさせてくれる1点です。
メーカーの名前だけを競うような、モダン・メタリックな腕時計、そういった時計にはうんざりという方に。
自分だけのこれだといった楽しみ方をして頂く時計をお探しなら、ぜひこちらの時計をお勧めします。
このまま身に着けるもよし、またチェーンと合わせて楽しむもよし、見せて飾って語れる時計という点で、「時計を持つ」ことを改めて「楽しい」と感じて頂けるものだと思います。
フルール・ド・リスのピンについては、このままの状態でピン型で、男性ならラペルピンとしてスーツやベストに、女性ならブローチ・ネックレスとして身に着けて頂けます。
ピン・ブローチとして使わない場合は、チェーンに取り付ける飾りとして、この飾りを提げるというのもまた、とても雰囲気があって楽しいものかと思います。
状態
特記事項はありません。
ブローチはティファニーのあるアメリカの銀のホールマーク「STERLING」の刻印だけであるため、ティファニーのものではないと思います。
希少性
非常に綺麗な時計で、そもそもの数が非常に少ないこと、またこのように状態良く残っていること自体が珍しいものです。
贈り物
雰囲気の良い組み合わせのもので、贈り物としても、このピン・ブローチと合わせて楽しんで頂ける方にというのがお勧めです。
備考
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