ティファニーの大きな携行時計
現在は、貴金属・宝石などの高級ジュエリーを扱うお店として知られるティファニー。
店舗を訪れても、その格の違いが判る、今や誰もが知る高級ブティックブランド。
この時計は、そんなティファニーが100年ほど前に作っていた「携行時計」。
どういった時計なのかというと、旅行などの際に、付属のケースを閉じて「時計」を持って行くことができたという品物。
その当時、どれだけ時計が重要視されていたものなのかがわかる、時計を「時計」として持って行っていた時代のお話し。
懐中時計とは違い、非常に大型ですので、ポケットに入れたりという携帯性はなく、置いて備えるという持ち運べる置時計といった位置付けのもの。
一般的な懐中時計とは違い、巻き上げると8日間動き続けるだけの動力がある、8日巻きという作りという点にも違いがあります。
リューズの位置が上ではなく下についているのも、懐中時計とは大きく違うところで、このような形の8日巻き時計が、当時の、今でいうクラシックカーの車載時計としても使われていました。
作られた時代背景を反映するように、陶製の文字盤や蛍光の針やインデックス。
裏蓋の開け方から何から何まで、この時代の懐中時計の作りを持っているのも、味があって良いものです。
ティファニーの歴史を感じる1点
今から100年程前のお話しになりますが、当時のティファニーは銀器や宝飾品、取扱品に時計も増やして扱うブランドとしても知られていました。
技術者や裏事情をご存じの方しかわからないことですが、こと時計に関してはこだわりを見せたブランドとしても知られていて、他のブティックブランドと呼ばれるブランドが、ほとんど知名度のない機械・時計を採用していた中、時計メーカーにもこだわって商品にしていたことで知られているという側面があります。
この時計に採用されているのも、確たる時計メーカーであるコンコルド。
当時のティファニーやカルティエの時計を作っていたことでも知られています。
店主のワンポイントと評価
総合評価
アンティークの腕時計、懐中時計ときて、もう1つ楽しめるとしたら、こういった大型の置時計的なもの。
当時のように旅行などに「携行する」という目的では使いにくいものですが、書斎机の上に置いて頂いたりすると、大きさとしても雰囲気としてもとても映える1点です。
熟成された高級ウイスキーを並べて楽しむように、ティファニーの100年物を飾って楽しむ。
お客様を招いてショーケースに並べておく、そんな贅沢な楽しみ方ができるのも、このサイズだからという存在感があるからこそでしょう。
付属のケースのまま、立ててお使い頂くのもお勧めですが、木彫りのケースなどを合わせてあげるのもお勧めです。
状態
時計自体は非常に良い状態ですが、立てる・収納するためのケースは、経年劣化が大きく出ています。
写真を撮るために開閉するだけでも、ボロボロと崩れるような状態ですので、オーダーメイドで時計スタンドもしくは収納ケースを作って頂くことをお勧めします。
希少性
このように時計自体の状態が良いものとしては、比較的珍しい部類になります。
同系でも時計の顔・デザインが違うと、雰囲気も違いますので、そのような条件が合わさるととても貴重なものです。
贈り物
贈られる方にアンティークへのご理解があることが前提ですが、このような100年もののティファニーというだけで特別さが十分すぎるほどに感じられるものだと思います。
大きさや重量もあって、その点でも価値を感じて頂きやすいものと言えるかもしれません。
備考
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