懐中時計時代の綺麗な1点
懐中時計という言葉を聞いて、想像されるのは、手のひらに収まるような、大きな懐中時計ではないでしょうか?
現在の腕時計に紳士物と婦人物があるように、懐中時計にも、大きな紳士物と小さな婦人物がありました。
大きな時計はどちらかと言えば、シンプルな武骨なイメージで、小さな懐中時計は綺麗な装飾が施されているものが多かったり。
その理由は、男性はベストなどの大きなポケットに入れられていましたが、婦人物はドレスなどの、とても小さなポケットに入れられていることが多かったため。
また、ネックレスやブローチとして、懐中時計を繋げて楽しまれていたことからも、小ぶりなものが好まれていました。
綺麗な黄金色の文字盤
この懐中時計も、この時代のものならではの、非常にサイズの小さな1点。
黄金色に輝く文字盤には、とても繊細で綺麗な装飾が施され、インデックス部分の装飾や、黒の数字と金色の対比もとても魅力的なものです。
ケース裏側の彫りもとても味のあるもので、表側の文字盤の装飾と対をなすかのようなデザイン。
直径3センチほどの、小さな金時計ですが、それだけにちょっと違った楽しみ方を与えてくれる1点だと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
とても小さな懐中時計ですが、その小ささが良い方向に出たものだといえるでしょう。
文字盤側の装飾の細やかさ、またケース裏側の装飾の美しさも、このサイズにこの彫りの細やかさだからこそ、とても映える繊細なデザインになっていると言えます。
ネックレスに合わせて頂いたり、昔のブローチなどに吊り下げたり、「懐中時計」とお考えいただくよりも、綺麗なアンティークの装飾品・ジュエリーの1つとして、ちょっと違った楽しみ方を考えていただきたい面白さのあるものです。
状態
それなりに経年劣化は出ていますが、良い状態の綺麗なものです。
希少性
比較的当時としては、一世代前の懐中時計の定番のデザインと言えるでしょう。
ただ年代が古いだけに、状態の良いものが少ないともいえます。
贈り物
きらきらと輝く文字盤、またケースの裏側も同様に綺麗な姿をしていて、贈り物にもお勧めしたいもの。
ただし、シリンダー式という、当店で主に扱う懐中時計よりも、一世代前の機械になりますので、少し精度という点では物足りない部分はあります。
備考
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