文字盤に施された赤と青の宝石
今も時計のメッカであり、古くから伝わる老舗の時計ブランドの集まるスイス。
その昔、時計と言えばスイスであり、今でもそのイメージは変わることなく、その息吹は脈々と受け継がれています。
英国やアメリカなどにも、大きな時計メーカーが興りますが、それまではスイスで作られた時計や機械が主流でした。
この時計もスイスで作られた年代物の古い銀の懐中時計で、英国向けに輸出されていたものと思われるもの。
非常にその姿の美しい懐中時計で、文字盤の装飾に目を惹かれます。
特に文字盤の金の細やかな模様が素晴らしく、数字の間と中央付近にある赤と青の小さな宝石は、ルビーとサファイアだと思われるもの。
また時計のケースの装飾に施されたデザインも非常に味のあるもので、裏面にはアンティークらしい雰囲気のある装飾と、側面にはいくつもの目のようなデザイン。
このような手のこんだ作りがされていた時代もあったのです。
時間を見るための「煌びやかな道具」であり、持つ人のステータスを表すものであり、着飾るものでもあった時代の産物です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
綺麗な文字盤を持つ、古いスイス時計らしい作りです。
年代を遡るほど、装飾に関しては美しくなりますが、その分、機械の作りの古さも世代をまたいでしまうことがあります。
この時計の機械は、1900年以降に作られた時計より世代的に一世代前のシリンダー式、かつ時刻合わせやぜんまいは鍵巻き式で、リューズが付いていません。
精度の少し出しにくい作りであることから、ある程度の誤差を容認していただける方で、かつ鍵巻き式で巻き上げることを楽しんで頂ける方のみにお勧めします。
状態
拡大した写真を掲載していますが、文字盤の8時の外側付近に、わずかなヘアラインが見てとれます。
肉眼では本当に目を凝らして、角度を変えたりして、なんとか見えるほどで、状態としては悪いものではありません。
またケースに軽いくぼみもありますが、程度の軽いもので、気にしていただく程度の物ではありません。
希少性
この時代のスイス時計のひとつの形です。
状態の良いものとなるとなかなか手に入りにくいものでもあります。
贈り物
文字盤の作りの面白さや、アンティークのスイス時計という、もらう側からすると価値を感じていただけるものです。
わずかなヘアラインこそありますが、本当にわからない程度のものであり、鍵巻き式という、現代からすると新鮮な時計の操作を楽しんでいただけるものですので、贈り物としてもお勧めできる1点です。
備考
–