選ばれた者だけが持てる重みある印
現代で作られることもほとんどなく、このような指輪を見る機会は、博物館でのみという博物館に陳列されるべき1点。
その昔は、地位と財力そして実用を兼ねたものとして、持てるものだけが持てる、本当に特別な指輪として存在していたアンティークの指輪。
西欧の国・オーストリアの刻印が記されています。
王侯貴族・騎士が活躍する時代を描いた、古い映画のワンシーン。
丸められた書状を封印する、ロウの封蝋印を押す際に、ロウを垂らしてから、指輪を押し付けているのをご覧になられたことがあるかもしれません。
それほどに、古い歴史と日本で例えるなら、実印や花押のような役割を担っていたものです。
時代やその背景を表すように、荘厳にして重厚に作られた指輪。
写真からでも、その作りが伝わるほどで、重み自体も25グラムという、非常にしっかりとしたもの。
アーム部分の幅が7ミリもあるという点からも、どれほど大きいものかがお分かりいただけるというものです。
封蝋印の蓋である、指輪の表側には、アンティークならではの技巧を凝らした彫りとダイヤモンドの飾り。
またアーム部分である側面にも、豪華な飾りが施されている驚くような作り。
重厚な蓋を開く感覚は、まるで大切なものが収められている金庫の扉を開くかのよう。
内側の大切な騎士の印を、隠すそして守るための作りだったのでしょう。
まさに選ばれた人のみが持てる、大切な装飾品であり、そのステータスを示すシンボルの1つです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
現代の指輪という概念からは、完全にかけ離れた、「指輪」でありながらも、指輪ではないものと言えるかもしれません。
実際に身に着けていただくことを考えると、このような大きなサイズで、かつ立体感もあるものを、着けていただける方にのみしかお勧めはできないものです。
ただここまで金を潤沢に使い、日本でいえば実印という用途のように作られたものであることを考えれば、ここまでの作りがされた理由も理解できるというものです。
アンティークという観点から見ると、その用途や時代背景が見えて、「その時代だったから」こそという特別品で、非常に味のある1点です。
状態
特記事項はありません。
希少性
このような特別なリングが持てる人自体が少なかったこと、そしてここまでの特別な品であること。
贅沢なほどに素材もしっかりとしていて、数自体が少ないという希少品。
またその所有者、その目的から、それぞれが1点ものです。
贈り物
ただの指輪ではない、サイズも大きく重さもある14金製で、贈り物にするには、その方の好みを100%知っていなければならないほど、贈り物として選んでいただくのは難しいものだと思います。
アンティークという観点からは、品格・風格・素材その他全てを備えているかもしれませんが、自分以外の他人に贈るには、そこにはどうしても難しさが残ります。
自分自身への贈り物としていただくのが、一番のお勧めです。
備考
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