こだわりを作り見せる時代の品
時計といえば懐中時計が当たり前であった時代、人々の身なりや持ち物は、そのままその家の、その人のステータスを表すものでした。
現代なら車や携帯電話、でもそれは少し手を伸ばせば手に入るもので、いくつも作られた数多くの中の1つ。
でもドレスを纏い馬車が走り、そんな時代にあっては、1つしかないものを作らせることができる、それを持つことが大きなステータス。
懐中時計にしても、それを合わせるチェーンにしてもしかりで、「他にはない」特別なものに出会うと、その品の特別さに思いを巡らさずにはおれないものです。
そのものの素材の良さ、そしてデザインの特殊性、今でも言われることですが、誕生石などが鏤められていたり。
そしてそれらを統合するかのような統一感、これはまたそのものの良さを、言葉を抜きにして物語るものでもあります。
このチェーンは、そういった一端をご覧いただける1点。
繊細で淡くそして優雅な
遠めに見ればシンプルな1点かもしれませんが、そこはまた作り手の思惑だったのでしょう。
派手すぎず主張しすぎず、しかしながら秀逸なデザインと作りを併せ持つ。
着けて頂いた時に、その雰囲気の良さを感じて頂ける1点だと思います。
秀逸なのは、T字バーと紐状のチェーンに配されている2つの飾り。
アメジストだと思われますが、淡い紫色の宝石がそれぞれに鏤められ、チェーンのデザインとしても統一感があります。
T字バー部分の飾りも立体的になっていて雰囲気の良いものですが、他の飾り2点についても、手の込んだ立体的な飾りで見事にチェーンを彩っています。
紐状の細めのチェーンに似合う、とても良い装飾が施された特別な1点といえるチェーンです。
懐中時計は小型から大型まで幅広く合わせていただけますが、少し華奢な印象もありますので、大型の懐中時計であれば、厚みは控えめのものがお勧めです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
色々なチェーンをご覧頂いてる方ほど、このような作りのものが珍しいことは、一目してすぐにお分かりいただけるはず。
デザインや素材・雰囲気の統一感は、その品が良いものであることの証。
絢爛豪華という品ではありませんが、落ち着いた雰囲気のある、押さえるところをしっかりと押さえた、とてもデザイン性の高い1点だと思います。
ごちゃごちゃとした飾り立てこそありませんが、すっきりとした美しさを見せてくれるチェーンです。
状態
金の紐ですので使用による若干の癖はありますが、全体的にとても良い状態です。
T字バーは鍵巻き仕様になっていますが、鍵を巻く穴の部分は丸くなっていますので、T字バーとしての用途となり、鍵巻きとしては使えません。
希少性
まったく同じものとなると手に入りませんので、S評価でも良いものだと思います。
贈り物
素材としてもデザインとしても良い、アンティークとしての品格のある1点で、贈り物としても非常にお勧めの1点です。
すっきりと上品な雰囲気に仕上がっているものですので、落ち着いた上品な雰囲気で着けて頂く方に。
備考
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