職人技と素材の良さが活きるアンティークの逸品
金無垢のアンティークチェーンの中では、これが一つの完成形といえる傑出したデザインと作りを持つ1点です。
本当の1点ものとは、このような作りを持つものだと、その姿から伝わってくるほどに、素晴らしい作りを見せてくれるもの。
懐中時計が使われていた時代の、その良き時代の作りの古さと職人の腕、そしてその土地柄の希少性が合わさって生まれたものです。
チェーンの見どころは、何と言っても、グリーンストーンに金の装飾が施されたとても特殊な作りの部分。
一目見ただけで、これがただのアンティークではないことがお分かりいただけるはず。
それもそのはずで、このグリーンストーンの見せる色合いは、まるで宝石が見せるその魅力と等しいもの。
光が通れば透けるような美しい濃緑色で、ただ単に透けるだけではなく、その内側に個々の石が持つ模様が透ける。
そしてその両端には、非常に綺麗な金の装飾が留められていて、この1本だけを見ても、それだけで価値ある装飾品。
それが四本も繋がっているのですから、その魅力たるや、言わずもがな写真が伝えてくれるものでしょう。
またチェーン全体を見てみると、グリーンストーンの装飾があり、その先端には連環の金の鎖が繋がっているという特殊な作り。
しかもただ単なる鎖ではなく、非常にしっかりとした幅のある太さのチェーンであることからも、素材にもどれだけこだわられたものかがわかります。
鎖全てがグリーンストーンではなく、半分が金のチェーンになっていることで、より鎖の半分から先端にかけて形状的な柔軟性があり、ベスト前で垂らす・ポケットに入れるという際にとても実用的になっているのもポイント。
グリーンストーンの両端にある金の装飾部分の写真も、拡大してご覧ください。
その中央部分に釘跡の頭のような箇所が見え、それぞれ楔でグリーンストーンに固定されているのがお分かりいただけるでしょうか。
アンティークを見る際に、その姿形やデザインはもちろんのこと、どこまで手が掛けられているかが、その品の良し悪しと言われますが、このチェーンは本当に手の込んだものです。
十字の金無垢の紋章もまた見どころですが、チェーンの素晴らしさが際立って、この飾りがチェーンの「一部」という表現になるほどです。
マオリ・ニュージーランドの翡翠
このチェーンが渡ってきたのは、当店のあるオーストラリアのお隣りであるニュージーランドから。
このチェーンにふんだんに使われている緑色の石は、ニュージーランドの原住民であるマオリが大切にしたグリーンストーン(マオリ語でポウナム)。
グリーンストーンの装飾品は、家宝として伝えられているという大切なもの。
厳密には翡翠ではないと言われていますが、「ニュージーランド翡翠(ひすい)」またグリーンストーンといった名称で呼ばれることがあります。
歴史を考えると、ニュージーランドの移民という歴史が大きく動き始めた頃。
入植当時のよほど良い職人によって作られたものでしょう、
ニュージーランドのグリーンストーンが使われていて、それが最大限に生かされているという点でとても魅力的なもの。
グリーンストーン部分にしても、金の鎖の部分にしても、非常に幅があって、しっかりとしたサイズがあるものです。
懐中時計を合わせていただくなら、そのチェーンの存在感からしても、大型以外では合わないでしょう。
チェーンや紋章の飾りの刻印から年代は判断できませんが、作りや装飾の手法・また作りの良さから、1900年以前のものだと考えられます。
店主のワンポイントと評価
総合評価
色々な金無垢チェーンがありますが、作りとしては本当に傑出した1点です。
作りのこだわりよう、手の掛けられ方、素材の良さとデザイン。
その全てが依頼主がどれほどの方であったのかが、そのまま伝わってくるものです。
ニュージーランドというその場所であったからこそ、また懐中時計が使われていた時代であったからこそ。
そして特別な石を美しく加工し、さらに美しく金を装飾できる職人を伴って、はじめてこのようなチェーンが作られます。
そのような点では、同じものがないのはもちろん、今後も作られることのない特別な1点物と言えるでしょう。
状態
グリーンストーンのうち、1本だけ少し短くなっています。
作られた当初から、希少な素材で長さが合わせられずに短いものであるのか、のちに補修されたものであるのかのどちらかですが、ここまでのものであれば、のちに補修がされたものであると考えるのが妥当でしょう。
ただそのような補修がされたという点を考えると、このチェーンがどれほど貴重なものであったのか、そして見事に同じように直されていることからも、よほどのものであったことがわかります。
しっかりと長さのあるチェーンなので、4本のうち1本を吊り下げる飾り側に取り付け、もう1本をT字バーに加工して使うというのも1つの手だと思います。
マイナス点として考えていただくものではなく、やはりこの品の「物の良さ」が表れていると考えていただくものです。
希少性
アンティークの中でも、本当に数が少ないもので、まず同じものがない貴重かつ希少な1点ものです。
贈り物
アンティークの持つエレガントさと風格、そして素材と作りの良さ。
それらがギューッと詰まった素晴らしい品です。
贈り物としても、まさに最高のアンティークをプレゼントするようなものです。
備考
–