歴史が伝わる風格の1点
チェーン自体にしても非常に風格を帯びたもので、合わせられている飾りもとても見どころのある懐中時計用チェーンです。
シンプルな作りのチェーンとは違って、それぞれの部品が「組み合わせ」られて作り上げられている特徴のある作り。
チェーンの主体になっているバーのような部分は、装飾の施された四角柱のような形をしていて、立体感ある重厚な雰囲気。
その雰囲気に対して、感覚的な面でも風格を与えているのが、このチェーンの程よい年季の入り方で、このチェーンの美点ともいえるところです。
チェーンの素材は一般的な金属で、メッキが施されていると判断されるものですが、この素材だからこそ作り上げられる雰囲気の良さがあり、このチェーンに関しては、その「良さ」がとても顕著に出ている1点。
写真でご覧いただける色味など、まさにアンティークそのもののイメージで、アンティーク好きを唸らせる魅力に溢れていると感じられるはず。
程よい古び方が、何とも言えないアンティークらしさを醸し出し、商品の存在感とその魅力をさらに高めています。
チェーンに合わせられているのは、銀貨が収められた犬の飾り。
そのデザインの良さもさることながら、チェーンとの組み合わせが非常に綺麗で、うまくお互いを高めあっているという関係。
中に入っている銀貨もまた特別なもので、銀貨が鋳造されたのが1826年という、今からすでに200年ほど前という歴史物。
西欧はナポレオンによる支配が終わりを告げた頃、そして日本では維新の志士がこれからやっと生まれようという時代の頃の品。
そう聞くと、どれだけ古いものか、年代よりも感覚で感じていただけるものだと思います。
懐中時計を合わせていただくなら、しっかりとした作りで立体感・存在感があるため、中型から大型の懐中時計がお勧め。
チェーンについては、形や素材などから1920年頃のものだと思われます。
店主のワンポイントと評価
総合評価
雰囲気のとても良いチェーンで、その色味からアンティークならではという特色と雰囲気が自然と伝わってくるほどのものです。
素材面を考えると、マイナスのように考えられる点ではありますが、このチェーンに限っては、これはプラスと考えていただくもの。
この素材にあって、これだけ状態よく残っていること自体も珍しいものですが、この素材だからこそ引き出される味の良さが、すべてをプラスに変えてしまえるほど。
輝きよりも落ち着きを、古い懐中時計には、この雰囲気が良く似合います。
状態
チェーンに関しての特記事項はありません。
銀貨の飾りはプラスチックの風防になっていて、風防表面やケースに少し傷はありますが、気にしていただく程度ではないものです。
銀貨が金色になっていますが、チェーンや飾りに合わせてメッキを掛けられているはずです。
希少性
素材に関わらず、チェーンの作り自体が珍しいもので、組み合わせられている銀貨の飾りも特別なものです。
贈り物
新品のような輝きを求められる方には向きませんが、アンティークならではの味のある雰囲気を楽しまれる方なら、この味の良さは見るだけでお分かりいただけるものでしょう。
備考
–