オメガの骨董美
現存するアンティークのオメガの中でも、極端に数が少なくなるのが1900年以前のもの。
それもそのはずで、作られていた数自体が非常に少なかった時代のもの。
高級品であった時計の中の高級メーカー、そして人々が懐中時計を時計として使っていた時代の物。
元気に動く状態で、かつ状態良く現在に伝わること自体も珍しいものです。
この時計が作られていた当時、これこそが懐中時計のキホンであると、時計が語り掛けてくるようなオーソドックスなスタイル。
それでいなかがら、そこに上品な佇まいと風格があるのは、アンティーク時計ならではの物だと言えるでしょう。
懐中時計時代の奥深さが伝わる
1920年頃までは懐中時計の時代ですが、たかが数十年ですが、その数十年の間に大きな違いが生まれる。
見た時にそして持った時に、その違いを感じていただけるだけの年数でもあります。
同系のオメガの懐中時計と比べていただいた時に、何とも言えない違い、品の良さがご覧いただけるのではないでしょうか。
素材が同じでも、その作りの端々に違いが表れる、そしてそれこそが年代の違い。
多くの時計をご覧いただいたことのある方でないとわからないような箇所が多いのですが、写真からすぐにお分かりいただけるのは、時計の文字盤の文字。
この時代まで遡ると、拡大した写真をご覧いただければお分かりいただけますが、なんと色の濃淡、筆圧までもが見えるような手書きの文字なのです。
たかだか数十年、ですが製造技術が大きく進歩したこの間の年数の意味は大きく、作りの端々に至るまで、その色香がはっきりと見えてきます。
時計の針もまた同様で、このような形もこの年代ならでは。
少し時代が変わっても、同様の針はありますが、それでもその作りは大きく変わっていきます。
またケース内側の小さな文字の彫り、これもまたこの時代ならではのもの。
後世にも彫りの技術は伝わっていくわけですが、そこに刻まれる意味と手間、そしてその精巧さを見れば、この年数の価値を感じていただけることでしょう。
店主のワンポイントと評価
総合評価
基本的なアンティークの銀時計ともいえますが、19世紀から21世紀と3世紀をまたぐ、オメガの貴重な100年を大きく超える骨董時計。
定番の形ではありますが、数字や目盛りの大きさであったり、文字盤に対しての大きさであったり、針の形と大きさであったり、それぞれがとても良い組み合わせであることがわかります。
手にすると何とも言えない、その雰囲気の良さが伝わります。
状態
しっかりと使い込まれているもので、ケースの裏側に軽い窪みがあります。
また裏蓋の表面には小さな模様があったものですが、使用と磨きによって見えなくなるほどになっています。
ただそれ以外の状態は申し分なく、とても綺麗な状態の時計だと言えるでしょう。
希少性
1900年以前のオメガとなると、数も少なく希少になります。
贈り物
オメガの120年を超える年数だけでも特別な意味を持つアンティーク品。
作りや雰囲気も良く、贈り物としてとてもお勧めのできる1点です。
備考
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