完成そして極められた宝飾時計
物事に一から終わりまで、完成した流れがあり、物事にも完成された形があります。
この時計は言うなれば、宝飾時計として完成された域にある、時計という1つの「芸術品」を完遂させた時計だと言えるでしょう。
婦人物の宝飾時計という区分けの中で、その言葉以外が思いつかないのは、この時計の姿形がどれほどのものであるか物語っています。
わざわざ説明をさせていただくまでもない、写真がすべてを物語ってくれる時計。
そんな時計に出会うことは、現在の時計でも、アンティークからを通してでも、あまり出会うものではありません。
この時計を作ったのは、高級ジュエリーや宝飾時計を販売していたルシアンピカールという、ブランドジュエリーに精通した方が知る、知る人ぞ知るメーカー。
日本では特定のブランドだけが好まれるため、あまり知名度がありませんが、1923年の創業という非常に古い歴史を持つ老舗です。
大手の著名な時計ブランドとは一線を画した、個性的な時計や宝飾時計を得意としていて、このメーカーの時計には、「ルシアンピカールらしさ」という雰囲気があります。
この時計も、時代の流れを汲みながら、そしてルシアンピカールというその名前の雰囲気を保ち、デザインされたまたとない一級品。
時計の姿をご覧いただければ、そこには「時計の形」を作ろうとして、作り上げたものではないことが一見してお分かりいただけるはず。
まるで一つの最高級のジュエリーを作り上げるように、その一つひとつの部分に感性を与え、そしてそれを統合し、「見せる」という美しさのために織りなされたもの。
最高の品を作り上げるために、とことんまでこだわり抜いた、作り手の姿勢が表れている素晴らしい作りを持った時計です。
細部に渡るまで作りこまれたデザインは、その部分を取ってみても、それぞれが1つのジュエリーになってしまいそうなほどに繊細で美しい。
立体的なジュエリー装飾や彫り、こだわりの形がわかる大きな48石のダイヤモンドが鏤められた様は、まさに圧巻の一言。
ジュエリー加工の装飾技術をふんだんに盛り込まれた、技術と業・手間を惜しまずに作られたものとしても、非常に評価されるものです。
また時計を留める部分は、紐タイプの取り付けになっていますが、これもこの形で評価されるべきもの。
ここまで華やかな表面に対して、その裏側にまで同じ形をあしらってしまったのでは、過ぎたるは及ばざるがごとし、やりすぎで目が当てられないものになるはず。
しっかりと緩急が付けられた構成であることも、実用としての評価を上げているポイントです。
時計としての美しさは、時計を手にしていただいた際に、ただただ感動していただけるもの。
西洋のお城の美術館などに、高貴な方が身に着けた時計として飾ってあっても、それがまるで当たり前のように見えるもの。
華やかなティアラの美しさを、手元に表現したような時計です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
最高級の時計の1つとして、素直な評価をせざるをえない逸品です。
どなたにでもお勧めできるものではありませんが、手元を彩る時計としては、本当に優れた1点もの。
写真からはわかりづらい部分ではありますが、時計の構成が、本体と大きなところだけですが上下3つづつに分かれているのもポイント。
このような構成になっていることから、その部分部分で時計が腕にフィットする、カーブを描くように設計されています。
写真でご覧いただける平面的な美しさはもちろんですが、腕に合わせていただいた時に、腕に回ってくれる立体的な美しさも特筆されるもの。
外観だけでない、「時計を着ける」という実用面も熟慮されているものです。
状態
風防等に軽い傷はありますが、ごく程度の軽いものです。
希少性
同じものが無い1点もので、再入荷はありません。
贈り物
これほどの時計ですので、贈り物としては最上級の評価がされるべきものです。
備考
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