使い続けることで出せる味がある
それは歳月を経た革財布やカバンのように、使われることで生まれる魅力がある。
自分自身で使いながらその味を出すのも、「モノ」を使うことの魅力の1つ。
しかしながら、こと時計に関して言えば、今から使い始めて「味」を出すというのは、実は至難の業。
新しい時計は劣化が期待できないステンレス製、しかも気密性も高く、何十年経ってもほとんど変わらない、それが現代の時計の良いところ。
でもこと「アンティーク」ということでいえば、それではやっぱり味気ない。
使いこなされた感じ、経年変化がとても綺麗に出ている、そういった魅力は「劣化する・変化する」素材だからこそ。
このロンジンの腕時計は、そういった「経年や使用による変化」がまだ楽しめる素材・作りだった時代のもの。
見事な年齢の重ね方をしていると思いませんか?
今から手に入れて育てる、それも1つの選択肢ですが、時計の場合はそれを起こすには人の半生以上の年月が必要で、実際にどのような変化が出るかはわかりません。
それなら、やはりこのように見事に育った1本を手に入れて、それを愛用するのが最高の1手ではないでしょうか。
ミリタリー的な外観
実際に軍用として使われていたかどうかは、刻印が無いためわかりませんが、この時計が作られたのは、時代としては第二次大戦終了すぐのこと。
時代として、この時計のように、軍用時計の特徴である、蛍光塗料が用いられたシンプルな形、そして強固な素材が時計に使われていました。
ミリタリースタイルとして、現代の時計にも見られる特徴ですが、これはその当時の、その用途に使われていた時代のもの。
その姿かたちに、この時代ならではの特徴が良く出ていて、とても味のある1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
劣化と呼ぶより、ここは「熟成」と呼んで欲しい経年劣化・使用感が見られる腕時計です。
どなたにでもお勧めができるものではありませんが、「これは!」と感じて頂ける個性の高い1点です。
色味や雰囲気ともにカジュアルにとても良く似合います。
合わせられているバンドも新しいものではありませんが、ほど良い使用感・汚れ等があり、この時計の雰囲気にとても良く似合っています。
新しいバンドを合わせて頂くのも1つの手ですが、このままお使い頂くことをお勧めしたいところです。
状態
文字盤の3時から9時方向にかけて、色が変わっているところがあります。
9時13分頃でずっと止まっていたためで、この箇所だけ変色が出ていますが、これも古さが感じられてとても雰囲気の良いものです。
またケース等にも軽い傷や使用感が出ています。
希少性
比較的数の少ないものでもありますし、劣化は出ているとはいえ、この時計のように綺麗な個体として残っているものとなると非常に少なくなります。
贈り物
時計のスタイルや状態から、贈り物としてはかなり人を選ぶものになります。
好みを十分にご存じの方であれば、とても喜んでもらえる特別さのある贈り物ではあります。
備考
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