溢れる風格の1本
時計にはまってしまった方なら、こんな時計をぜひとも所有してみたいもの。博物館に飾ってあるような、そんな素晴らしい風貌と年季を感じさせる非常に魅力のある1点もの。
アンティークならではのデザインと、そして素材ゆえの色あせない艶やかな美しさ。また時代背景が時計に与えた妖しくも美しい妖艶さは、この時計が放つ最大の魅力です。
この時計が作られていた当時に主流であった懐中時計、その流れをたっぷりと汲み、時計の作りはまさに懐中時計の系譜をそのまま引き継いだもの。
陶器の文字盤は100年の時を経ても、まさにアンティークの陶磁器のようにその色合いを変えることがありません。
またその白く艶のある光沢は、この素材でこそ出しえるもの。文字盤のデザインも、この時代だからこその味わいに溢れています。
現代の腕時計にすら通じる完成度が垣間見えるのは、時計のデザインとして1つの極みにあったものであるからだとも言えます。
時計のデザインとしては、現在でもこの時代のものがミリタリーという1つの系譜として復刻されるほどで、この時代の時計の素晴らしさが、そこからもうかがい知ることができるでしょう。
そして写真からは伝わらないこの時計の魅力がもう1つ。
デザイン的なことはもちろんですが、アンティーク時計としてはやや大きめのサイズであることも大きな魅力の1つ。
アンティーク時計は基本的には小さめのものが多い中、この時計は非常にしっかりとしたサイズを持ち、大きくとても存在感と迫力を感じさせる作りです。
デザイン的なことも関係していますが、文字盤のデザインに合う、しっかりとしたサイズは、時計好きにはたまらない着けた時の満足感を得ることができるでしょう。
同年代の懐中時計を無理やり腕時計に作り替えられたものとは違い、生まれながらにして腕時計として作られたこの時計だからこそ、時計の雰囲気は違和感のない天衣無縫といえるものです。
この時計が生まれた時代は、まさに第一次世界大戦の激戦真っ只中。
飛び火するように戦火が広がる、世界各国が大きな戦争という嵐に飲み込まれた時代にこの時計は生まれています。
懐中時計がまだまだ主役を張っていた時代でもあり、かつ時計自体が貴重で高価なものだった時代のこと。困難の多き時代に生まれながら、100年後の現代において、ここまで美しい状態で時計として再び動いてくれることに、感動を禁じ得ないものでしょう。
時代背景を思いながらも楽しいものでしょうし、このような力強い相棒と過ごすことができるのは、何ものにも代え難い喜びになるでしょう。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時計の好きな方が最後に辿り着く極みのデザインの1つでしょう。
同じようなデザインの時計ばかりの現代ですが、このような時計に出会うことはまさに古きを温めて新しきを知る、アンティーク時計の魅力に気付かせてくれる出会い。
金時計など豪華で華美なものも良いのですが、侘び・寂びの境地ともいえる質実剛健な作りは、時計そのものを楽しむという実を見せてくれるもの。
時代の流れに左右されない、ぶれない芯のある力強いデザインは、流行に流されることなく充足感を持って着けていただけるもの。
どなたにでもお勧めできるものではありませんが、プライベートには着けていただくだけで気持ち良い、心地よいお供になってくれる逸品です。
のちのステンレスとなるニッケル系の素材で、シルバーとは違った色合いを持ち、シルバー特有の黒ずみが少ないのも、この時計の1つの味でしょう。
状態
経年による軽い劣化はありますが、非常に良い状態です。
希少性
年代の古い初期型の腕時計でかつロンジンのもの。
陶製の文字盤などこのような素材の組み合わせで、ここまで状態の良いものは本当に手に入りません。
入荷しないものではありませんが、それこそ年単位で運次第という非常に希少なものです。
贈り物
昔の腕時計としてはサイズ的にも大きめで、非常に存在感とデザイン性のあるものです。
ベルトの細さを気にしていただく必要はありますが、太めをご希望であれば、ここまでの時計であればオーダーメイドで太めのベルトを作ってあげるのも1つの手です。
備考
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