博物館・美術館に飾りたいほどの美しさ
アンティーク時計の中でも、金時計というのは、その素材の価値や宝飾品としてわかりやすいという点からも、わかりやすい美しさがあります。
しかしながら、「金と銀」よく対にして名前が挙がるように、「銀」の素材としての素晴らしさ、その仕上がりの美しさは、金では表現できない魅力があるのをご存じでしょうか?
特に「アンティーク」という、その舞台においては、銀の素材の持つ特性が、金をも凌ぐ美しさを見せてくれることがよくあります。
この懐中時計をご覧頂くと、きっと「なるほど」とその魅力を感じて頂けるはず
馬(牛)の上に3人の女性、そして上と左側に天使が3カ所、そして右側には小さな顔が2つ。
凹凸のあるケースの裏側の装飾が驚くほどの素晴らしさ。
ケースの側面にはもちろんのこと、ケースの表側の周り、そして懐中時計を提げる輪の部分にまで、驚くほどに隙のない仕上がりになっています。
また時計の顔である文字盤側もまた素晴らしく、これもまた非常に美しい装飾が施されています。
ケースに装飾が施されているものは、無いものではありませんが、それ自体が非常に珍しいことはもちろんのことですが、ここまでの仕上げがされているものは、なかなか見かけることがありません。
時計に魅了される、ついつい眺めてしまうような気持ちのなるのは、このデザインのモチーフもさながら、この時計にかけられた手間と技法の素晴らしさに他ならないものでしょう。
ウィットナーとロンジンの年代物
写真でも拡大していますが、銀のケースにA.WITTNAUERと銘が入っています。
ケースにこのような銘を入れるのは、日本刀の銘と通じるところがあるもので、名前を入れるだけの価値のあるものだったことの表れ。
ウイットナーとロンジンは、のちに強い結びつきになっていきますが、この頃はまだウィットナー初代のアルバート・ウィットナーの時代。
銘として入っているのは、まさにその初代の名前であり、ウイットナーのこだわりが強く感じられる特別品です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時計の装飾面に関しては、「完璧」の一言に尽きるでしょう。
モチーフのバランス、装飾の細やかさ、そして凹凸が利いた存在感は抜群。
どこからどう見ても、引き込まれるほどの美しさがあり、ここまでしっかりとした装飾が施されているにも関わらず、時計としての厚みも薄く携帯性が高い。
当時の懐中時計、装飾のあるものは、特に比較的重厚な仕上がりになっていますが、持って違いがわかるほどの仕上げになっているのも素晴らしいところ。
また銀特有のいぶし銀という色味の美しさを残すため、ケースには磨きをかけていません。
まさにこの素材だからこそ、この年代だからこそ、この作りを出したからこそという、色々なものが重なりあった傑作と言える1点です。
状態
若干経年変化は見られますが、それでもここまでのものはなかなかありません。
希少性
非常に希少な1点です。
贈り物
ただただ美術品のように美しい、手に取って頂くだけでその価値が伝わるほどの美しい1点です。
備考