欧州の王室を彷彿とする色使いと雰囲気の懐中時計
アンティーク時計の中でも、 古くから名ブランドとして知られたロンジンは、特に本当に時計の好きな方が好むブランド。
玄人好みと思われるかもしれませんが、ロンジンのアンティーク時計をご覧いただければ、その特徴やデザインにきっとファンになっていただける方も多いはず。
この時計はそんな名ブランドであるロンジンの、創業から20年にも満たない、本当に初期に作られた珍しい希少な時計です。
年代的に1880年代といえば、現代では著名なメーカーですら創業を迎えていない・やっと創業したばかりというほどの、非常に古い時代のものです。
この時計の大きな特徴といえば、とても美しい文字盤と針にあるでしょう。
当時のロンジンにあっても、このような文字盤のものは珍しく、特に青い色が使われているものは非常に珍しいものです。
まるで陶器にでも描かれるような非常に美しい「青」。
ロイヤルブルーといえるような、しっかりとした色合い。
そしてそこに描かれた金彩の模様。
またその内側にはほんのりと薄いピンク色が施されていて、まるで綺麗なアンティークのお皿に描かれている模様のようです。
模様を拡大した写真をご覧いただくと、模様の一つひとつが人の手によって描かれたことがわかるように、それぞれが微妙な不均一さ・筆圧の違いがあるのがおわかりいただけるはず。
このようなわずかで微妙な誤差こそが、人の手による仕事であることを伝える不均一さであり、デジタル化・大量生産化されてしまった現代にはない美しさです。
この当時の絵付けといえば、すべてが手作業。
これらの模様も、陶器などと同じように描かれたものであることを考えれば、この時計自体が陶器のような価値も併せ持つものといえるでしょう。
陶器のような大きなものに描かれるものでなく、時計の文字盤という小さなお皿に描かれる芸術。
時計の域を超えて、美術品として考えられるべきものでしょう。
作られたのは今から100年以上も前、時代的に蒸気機関車などが花形で、日本も幕末というそんな時代。
職人の技術が受け継がれ、その技術を使い「作る」ということに時間がしっかりと取れていた時代に作られたからこその時計です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
とても綺麗な時計で年代的にも素材・デザイン的にも珍しい希少なものですが、非常に古いものであるため、時刻合わせの方法が特殊です。
時刻を合わせていただくには、時計ケースの表面(ガラスの付いている枠)部分を開けていただかなければなりません。
写真でご覧いただけますが、文字盤右上に小さなレバーがあり、それを引いた状態でリューズを回すと、時刻を合わせることができます。
ご購入いただくお客様には、開け閉めの際には十分に気を付けていただくことと、この蓋を開けていただくための方法をご理解いただくことが必須になります。
長く大切にお使いいただくため、時計を傷めることがないように、この点だけご理解いただきますようお願いいたします。
この時計については、手作りの美しさや味わいを楽しんでいただく方、手間をかけて楽しみたい方にお勧めしたい1点です。
状態
ケースの裏側には外側の蓋と内側の蓋の2枚の蓋がありますが、外蓋側は欠損していたため、こちらで再生・作り直しを行って取り付けています。
希少性
綺麗な文字盤が美しく、年代的にもデザイン的にも非常に珍しいもの。
裏蓋の再生をしていますが、全体的な状態がとても良く、その点でも珍しいものです。
贈り物
アンティークらしさに溢れた、色やスタイルに風格のある時計です。
時刻合わせの方法が特殊ですので、贈り物としては、時計の扱いを良くご存じの方にお勧めします。
備考
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