ジャガールクルト手元で輝くアンティーク腕時計【1949年頃】

ケースの作りが魅力的で優雅

アンティーク時計の華やかさでは、その作りやデザインが多彩で突出している４０年代。
このジャガールクルトのアンティーク腕時計も、そんな時代を反映するかのように、デザイン的には突出した味のある作り。
各メーカーが持つ「メーカーとしてのイメージ」から、さらに一歩踏み込んで、時計がよりファッションとして花開いた時代。
現代のジャガールクルトそして世代を超えて、さらに古いジャガールクルトとも、大きく一線を画しています。

特にケースのデザインが秀逸で、文字盤のデザインとの調和性も高く、デザイン的にとても優れたもの。
確かに写真でご覧いただくと、少し派手さ奇抜さを感じるものではありますが、腕に留めてみると不思議なことに、そんなイメージよりも時計の「デザイン」としての美しさが際立って映ります。

特にケースの表側にデザインされた文字盤の周りに配置された凹凸の模様が、この時計のデザインの大きな見どころ。
この凹凸があることで、まるで美しいジュエリーであるかのように、それこそ時計全体が光り輝くように見えます。

また文字盤のデザインも、外側のシャンパン色と内側にやや濃いめのゴールド色を配し、ケースのデザインとの調和性が高いデザイン。
立体的なゴールドのインデックスも、ドットとバーの使い分けが絶妙で、時計のデザインにとても良く合っています。

時計の作りや見栄えから、どなたにでもお勧めできる万人受けする時計とは言い難いものの、「時計を見せる」という楽しみを存分に味わっていただける作りの１点。
古きジャガールクルト、その名を冠するのなら、好きな方ならやはり見せてでも楽しみたいものであるはずです。
腕元を飾る時計というジャンルをお探しでしたら、とてもお勧めできる１点です。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A+

どのような形でも、「抜きん出る」ということは、のちにその形や名が評価されるもの。
アンティーク時計でも、一般的なデザインであれば「よくあるもの」になりますが、個性ある形のものほど、後年になって人気が出ることが知られています。
時計を見せて楽しめる、時計を着けなくなった時代に、「時計を着けている」ことを主張するならとことんまで。
身に着けていることで、必ず話題として自分を知ってもらえる話ができるのも、この時計の良さと言えるでしょう。

状態　A+

特記事項はありません。

希少性　A+

もともとの数が少ないところに、高級時計ブランドとしての人気が上がっていることで、特殊なものほど希少になっています。

贈り物　A

状態やデザイン・作りなどを総合しても、とても良い作りの時計だと言えます。
ただどなたにでもお勧めできるデザインとは言えませんので、その点では評価は少し下げています。
贈る相手のことを、よくご存じの場合にのみお勧めします。