動く様を見て楽しむ
現行品の新しい腕時計の中に、機械が動いている様子が見えるものがあるのをご存知でしょうか?
新しいものですから、もちろん腕時計ですが、裏返すと裏側がスケルトン仕様になっていて機械が見える。
こういった作りは、最近の新しいもののように思われがちですが、実はこういった作りも、アンティーク時代にすでに実現化されていたもの。
懐中時計では、このヘブドマスの8日巻き時計が良く知られていて、時計の心臓部分がくるくると回る様子を見ることができる作りになっています。
アンティーク時計の中はどうなっているんだろう?
でも開けてみるのはご法度。
コチコチという音と合わせて、その動く姿も楽しめたら。
そんな希望を叶えてくれる、ちょっと特殊な作りの懐中時計です。
枯れ具合と変わり種の面白さ
このヘブドマスの懐中時計は、通常の懐中時計とは違って、1度巻くと8日間動き続けるというのが、当時の「目玉」だったもの。
手巻き時計をお持ちの方であればご存知ですが、通常は1日に1度巻き上げなければならないのですが、これは1週間は巻かなくて良い。
当時としては画期的な作りの物でした。
そしてこの懐中時計の面白いところは、この時計に見える「程よい枯れ具合」。
年代的なこともあって、古いのはもちろんですが、その古さが絶妙な加減でうまく表れているところ。
破損や汚れという「マイナス要素」としての劣化ではなく、「年代物」という雰囲気が伝わるような、綺麗な歳の重ね方をしたと思えるもの。
文字盤のデザインの特殊さ、数字などのフォント・針に使われている塗料もしっかりと残っていて、状態としてもとても良いもの。
左右に描かれている、ほど良い色褪せが見える赤い花。
何とも言えないほどよい古さ加減を見せる文字盤の色合いを背景として、時計のインデックスの緑や花の赤の色合いがとても良く調和しています。
店主のワンポイントと評価
総合評価
「懐中時計」と言われて思い浮かべる姿とは、一味も二味も違った個性ある1点です。
色味などからミリタリー系・ジーンズなど、カジュアルなスタイルにとても良く似合います。
懐中時計ではありますが、時計を包む形の革バンドを着けてあげることで、大型の腕時計としても楽しんでいただけます。
ご自身で楽しんでいただくことはもちろん、腕時計としてなら、存在感や見せるという楽しみも増します。
状態
古びた感じがとても良い方向に出ているもので、本来なら当店ではあまり扱わないものですが、内側の機械の状態が良かったため販売させて頂くことになりました。
希少性
8日巻きということで、ヘブドマス特有の作りというのもありますが、比較的破損・摩耗している個体が多いものです。
その中で機械の状態が良いものということで、その点でも珍しい1点ではあります。
贈り物
時計の外観などがとても特殊で、さらに8日巻きというまた違った作りのもの。
一般的な懐中時計とは違って、見た目やどのように使っていただくのか、服装に合わせて頂くのかなど、持つ方を選ぶ時計だと言えます。
プレゼントとして贈られる際は、贈られる方の好みをよくご存じか、ご本人様にご確認頂くことをお勧めします。
備考
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