華麗なる時代の揺り戻し
時代や技術が進むと、それと同じように「昔の良さ」が見直されるもの。
アンティークも、そういった懐かしむ気持ちと、昔の良さを改めて見出すことに楽しみがあると言えるのではないでしょうか。
「良さ」というのは、受け取る側・感じる側でそれこそいくつもの「良さ」があって、必ずしもこちらが伝える部分だけではありません。
このグリュエンの腕時計は、そういった時代の揺り戻しを感じる、昔の良さを改めて引き出そうとした1点。
特に大きく違うところは、時計のケースの表面に装飾が施されているところ。
このような装飾はこの時代に始まったもの、もしくは主流であったものではありません。
実は1920~30年代頃にあったもので、当時の懐中時計や腕時計の表面に施されていたものです。
それをこの時代になって、改めて時計のデザインに組み入れることで、時計のデザインとして当時としては、とても個性的な仕上がりになっています。
現代となっては、デザインの変遷を知る方もほとんどいませんので、この時代でこのデザインというのは、懐古的でもあり、かつ昔の良さを取り入れたデザインということで、とても面白い1点かと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
この時代のグリュエンの特徴を持った1点で、縦長に緩やかなカーブを描いた形が特徴的な腕時計です。
ケースの表面に装飾が入っていますが、細かな凹凸のある模様で、自分の腕を眺める時に目視して楽しめる装飾として。
時計として離れてみると、凹凸が光を乱反射させるため、見ている方にも少し「おっ!」と感じさせる特徴になっています。
この時代の上品なデザインの腕時計で、少し膨らみのある上品な針との組み合わせも、とてもアンティークらしい1点です。
状態
使用・経年による劣化はありますが、非常に綺麗な状態と言えるかと思います。
裏側にR.J.N. 15 years CALCO 7-7-1941 to 1956とありますので、CALCOという会社での15年の勤続表彰で贈られたものだと推測されます。
希少性
アンティーク中でも、「アンティーク」という見た目にフォーカスした腕時計で、あまり数の無いものになります。
贈り物
アンティーク好きな方への贈り物や、同じような時計に飽きてしまった方への贈り物としては、とても個性があってお勧めできる1点です。
備考