40年代のグリュエンらしさ溢れる特別な時計
グリュエンと言えば、日本ではあまり知られていないメーカーですが、その生まれ故郷のアメリカでは、映画にもその名が登場したほど。
40年代に腕時計のデザインを席巻する、腕にフィットするようにカーブをした時計、「カーベックス」という形を生み出したのがグリュエン。
映画のシーンの中で、「カーベックスを賭ける」といった台詞にもなっていたほどで、素晴らしい腕時計デザインで知られるメーカーです。
この腕時計も、この時代のグリュエンらしく、カーブの曲線が美しい1点。
銀とローズ色とカーブ
この腕時計の魅力と言えば、やはりこの時計の形と色合い。
少し横幅のある長方形と、上品ながらも落ちついた雰囲気があるもので、ケースそして風防の曲線がとても綺麗なもの。
ケースと文字盤のローズ色、そしてアラビア数字の組み合わせもまた雰囲気良く、針の色合いや形も、この時計のデザインにとても良く似合っています。
ラグ(バンドを留める部分)が短めでケースデザインに含まれるようにデザインされていて、それもこの時計の雰囲気づくりに一役買っています。
また外観からはわからない部分ですが、ケース素材に銀が使われているのも、見逃せないポイント。
銀という素材は、懐中時計や初期の腕時計には多用されていた時代がありましたが、時間の経過とともに黒ずんでしまうことから、1920年代頃にニッケル・ステンレス系統にとって代わられた、時計で言えばいわゆる忘れ去られた素材。
しかしながら、その短所を補うようにローズゴールドでコーティングし、わざわざ復活させているのも、色々な試みを行った「グリュエンらしさ」が出ていると言えるところです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ローズ色にカーブをした長方形のケースという、非常に落ち着いた上品なデザイン。
赤・茶系のバンドには、綺麗に溶け込むように、その上品さが際立ちます。
全体的なデザインはもちろんのことながら、金や銀とは違った主張が、この時計にはあります。
状態
特記事項はありませんが、この時代の作りならではですが、リューズを持った時に少し機械が動くような作りになっています。(時計を揺すると、機械がカタカタと少し音を立てる)
詳しくは「こちらのページ」もお読みください。
希少性
文字盤・ケース共にローズ色で、色味やデザインとしても希少なタイプ。
この時代の腕時計の素材は、ほとんどがニッケル・ステンレス系になっていますので、使われている素材という点では、非常に珍しいものです。
贈り物
写真からは、少し特殊さが見て取れるかもしれませんが、腕に着けてみると、驚くほどに落ち着いた非常に良いデザイン。
色といい形といい、スーツやシャツ系にもとても良く似合うデザインです。
現行品のデジタル時計が似合わない場に合わせていただけるという点、また普段使いとしてのデザインの良さもあり、贈り物としてもとてもお勧めできる1点です。
備考
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