少し小さめの使い勝手の良い腕時計
1940年前後から50年代にかけて、時計のデザインという面では大きな貢献を果たした立役者グリュエン。
ケースのデザインにも凝ることながら、風防の形にもこだわっていたことでも知られ、見せることに関しては、時計の美しさにとても力を入れたメーカーです。
こちらはそのグリュエンの1950年頃の腕時計。
この時代の時計にしては、少し小さいかなと感じる小ぶりの時計で、紳士物の小さめの時計をお探しの方にお勧めしたい1点。
渋さと風格があり、ケースのデザインなどに現行品の時計との違いを、たっぷりと感じていただける1点です。
いぶし銀な雰囲気の黒い文字盤
時計の枠の部分を細くとり、文字盤を大きく見せるデザインもありますが、こちらはその逆。
枠の部分に段差を付けてデザイン性を高めた上で、黒と金というコントラストの利いた文字盤のデザインに味があります。
ほどよく経年の味も得て、歳月という雰囲気の良さも加わっています。
グリュエンらしく風防の形もこだわったもので、側面から上にそして斜めのカットになっている特殊な作りのもの。
少し欠けこそ見られるものの状態も良く、段差のあるケースと同じく段差のある風防の組み合わせと、見どころのある1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
現代の新しい時計と比べていただくと、この姿形を見るだけでも引き込まれてしまうところがあります。
ケースと風防に、角と面を上手く取り入れたデザインで、見るほどに味のあるものです。
やや小さめのサイズということもあり、小さな紳士物をお探しの方や、格好良い婦人物としてカジュアルに楽しんでいただくのもお勧めでしょう。
状態
風防を取り付けている状態、普段お使いいただく状態ではほとんどわからないくらいですが、文字盤に経年による変化が出ています。
もともと黒で目立ちにくいということもありますが、ほとんど気にならない程度だと思います。
拡大した写真も掲載していますが、写真で拡大していると、目に見えないものも写りますので、実物よりも状態が悪く見えてしまいます。
また風防に軽い欠けがありますが、こちらは交換をするほどでもないほどのものです。
希少性
黒い文字盤で珍しさのある1点です。
同じものとなると珍しくなりますが、黒い文字盤自体は、数は少ないながら、この時代の時計の1つの形です。
贈り物
直すまでもないというところで、傷や経年変化があるため、お得な入門編としてもお勧めしたいもの。
逆に使いやすいという点もありますし、デザインの面白さは、さすがグリュエンということで、遊び甲斐のある作りです。
備考
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