時代を反映したミリタリースタイル
ジラールペルゴをご存じの方なら、新しいシーホークのモデルをご存じかもしれません。
モダンで重厚なステンレスのダイバーズウォッチ、そんな印象を持たれているのではないでしょうか。
しかしながら、ダイバーズウォッチとして知られるようになったのは、実はごく最近のこと。
このシーホークというモデル、古くは1940年代から続く、ジラールペルゴの非常に息の長いモデルの1つです。
当初のモデルは、1940年代の戦時下ということもあり、当時の時計の1つの形でもあったミリタリースタイル。
その後、いわゆる一般的な手巻き時計という形になり、現代に近くなってダイバーズウォッチという、特徴的な形に変わっていきます。
シーホークの初期頃の広告には、戦時下ならではのプロパガンダを含んだもので、戦場の「最前線」といった言葉が躍っていました。
この時計はそんなジラールペルゴのシーホークの中でも、年代の古いもので、そんな時代の特色を色濃く残したデザインになっています。
戦時下であった時代背景が色濃く感じられる、戦争が時計にもたらした進化ともいえる「ミリタリータイプ」という特徴を楽しむことができる1点です。
デザイン的にも現代の時計に通じるものがあり、カジュアルでありながら、品がありレトロさも併せ持つ。
「大人が楽しめるカジュアル時計」というカテゴリーで楽しむことができる腕時計です。
昭和的な懐かしさのある面影
現代の新しいミリタリー時計はと言えば、ステンレスの重厚なケースに大きな数字のインデックスや太い針など、なるほど「ミリタリー」だと見て納得していただけるスタイルになっています。
しかしながら、40年代頃の軍用時計・ミリタリースタイルの腕時計は、そういった現代のスタイルの元になった形。
現代の時計に慣れていると、数字の書体にしても、もっと良い形があると思えるものですが、この時代ならではのこのシンプルなもの。
時計の針の形には、特徴がとても良く出ていて、細長いひし形のような形になっていて、とても味わいのある外観です。
写真から十分にお分かり頂けますが、現代的なスタイリッシュな姿や作りはしていないものの、その当時の視認性や実用性が重視された形になっていて、現代とは大きく違う、どことなく懐かしさを感じて頂ける作りになっているのが大きな特徴です。
また見えないところではあるのですが、この時計の表側・金色の部分は10金。
そういった高価な素材を使いながら、裏側はステンレスという、少し時代を先どった作りになっているのも楽しいところ。
アンティーク時代の主流であった「金張り」等の形から、腕に当たる部分にはステンレスが使われるように変わるというところで、時代の先駆けのような部分を感じていただけることかと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
デザイン的にはシンプルな作りですっきりとした外観ですが、ほど良い男前さがある時計といった印象の1点。
やはり挙げるなら個性的な形をした2つの針。定番の中に違った特徴があることで、その点が個性として時計の魅力を高めています。
ミリタリースタイルという落ち着いた印象の腕時計で、プライベート・カジュアルなスタイルにとても良く似合います。
よりカジュアルに楽しむなら、ミリタリー的なバンドに替えて頂くと、時計の印象もがらっと大きく変わります。
現行品のモダンなスタイルの腕時計も良いのですが、いかにも「メカ」「メタル」という印象の現行品では趣きがないというもの。
このような大人が楽しめるカジュアルなデザインで名の通ったメーカー品、遊び心をくすぐる1点ではないでしょうか。
時計としては当時の紳士物でデザインとしては男性向けになりますが、現代の女性ものはサイズが大きくなっていますので、お持ちのサイズと比べて頂ければお分かりいただけますが、女性にも着けていただけるサイズです。
状態
写真でご確認いただけますが、文字盤に少し黒い線が見えます。
写真で拡大した状態で、わかりやすい角度からですので、肉眼ではほとんど気にならない程度です。
希少性
もともとの数が少ないもので、年式の古いもの・デザイン性の良いものほど希少です。
贈り物
高級メーカーであるジラールペルゴで、この時代ならではの作り。
当時はこのサイズがメンズの標準ですが、現代の時計と比べると少し小ぶりで、それもまた違いが楽しめて良いものです。
カジュアルな時計のプレゼントをお考えでしたら、新しい時計とは明らかな線引きと特別さを感じていただける時計としてお勧めです。
備考
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