銀時計の渋みという美しさ
作られてから100年以上が経っている本物のアンティーク時計。
洋画のワンシーンで、古い机の引き出しを開くと、そこにゆっくりと佇む渋い色を放つ銀時計。
そんな情景が浮かんできそうな、とても雰囲気のあるエルジンのアンティーク腕時計です。
時代的には懐中時計から腕時計が生まれ、少しづつ世の中に腕時計が浸透し始めている時代のこと。
まるで小さな懐中時計のように、裏蓋の付いた銀のケースに、陶製の文字盤とブルースチールの針と、この時代の小さな懐中時計の作りをそのままに。
そこにワイヤーラグと呼ばれる、ベルトを固定するのではなく、ワイヤーに通して腕時計にする形を以て腕時計に仕上げられています。
時代の流れの中、いろいろな試行錯誤が試みられて腕時計に変わっていく様が見て取れる、時計の歴史的にも感慨深く味のある作りです。
また腕時計で銀時計といえば、実は数が少なくて希少なもの。
その理由は、懐中時計時代には銀時計も主流の1つでしたが、腕時計へと時代が変わるにつれ、銀色の時計はステンレスやニッケルなどの素材が主流になり、銀時計はだいたい20年代を境に作られることが無くなってしまったため、そのため素材としても価値があるものです。
銀は置いておくと色が黒ずみ、磨けば元に戻るのですが、それが原因で他の素材へと移り変わっていきます。
ですが実はこの黒ずみこそが銀時計の大きな価値であり特徴。
銀特有のいぶし銀という奥行きのある色合いが楽しめるのが、この時計の大きな特徴にもなっています。
その時代では喜ばれなかったものが、現代になってアンティークの味として見直され、その時計の個性となる。
これもアンティークならではの味わいの1つです。
現代では見ないタイプの時計デザインですが、この時計が現代にあってもまったく違和感が無いほどに、現在のジーンズなどのカジュアルなスタイルにとても良く合います。
軍用として使われていた時計にこの時計と同系のものがあり、この当時の軍服であったカーキや茶系という色合いも似合います。
渋みと風格のあるデザインの時計で、週末のお供として落ち着いたカジュアルを楽しみたい方へ。
作られてからすでに100年以上が経過している時計でありながら、その存在感はかげることなく、今でも時計の魅力が香るように伝わってきます。
店主のワンポイントと評価
総合評価
シンプルな作りながらも、この時計ならではの奥深さを感じさせてくれる、とても雰囲気の良い1本です。
綺麗なままでお使いいただくのも良し、またしばらく磨かずに銀特有の黒ずみを出して、さらにアンティーク感を楽しんでいただくのも良しです。
腕時計初期の時計ということで作りも面白く、時計自体の厚みもあり、存在感と風格を楽しんでいただけます。
状態
特記事項はありません。
希少性
元々の数時代が少ないものであり、銀時計かつ状態の良いものとなるとなかなか手に入りません。
贈り物
カジュアルな着こなしをしていただける方なら、非常に合わせていただきやすい時計です。
時計の写真からも、着けている姿がご想像いただけるほどのものですので、贈り物としても非常にお勧めできる1点です。
備考
–