クラシックカー好きにお勧めしたい由緒ある時計
年代物の車がお好きな方は、時計にもかなりしっかりとこだわりを持たれているのではないでしょうか?
お好きな車に当時の車載時計を積み込んでみたり、車と同じように時計にもちょっと違ったこだわりを楽しみたいと思われませんか?
この時計は、そんなクラシックカー愛好家の方にお勧めしたい、特別な作りのしかも金時計です。
形や作りに味があるのは、アンティーク時計の大きな特徴ですが、写真をご覧いただいて一番気になられるのは、文字盤の金の車のシンボルではないでしょうか?
これは実は、この時計が贈られた理由に関係するもの。
時計の裏側の写真をご覧いただくと、英文で彫りが入っているのがご覧いただけますが、ここには、フィッシャーボディのマスタークラフトマン(優れた職人)への勤続記念として贈られたものだと書かれています。
フィッシャーボディとは、アメリカのメーカーで知る人ぞ知る、クラシックカーがお好きな方なら、その名前をご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
古くは馬車の車の部分を作ることから始まり、フォード・キャデラック、シボレー・パッカード、スチュードベーカーといった、今や愛好家垂涎ものの並み居るクラシックカーメーカーの数多くの車体製造を手掛け、ゼネラルモーターズ傘下に至るほど名工の集まりであった会社です。
そこへ1928年から1953年までの25年間、長きに渡って職人として勤め上げた記念に贈られた品がこの時計です。
素材が金時計であることから、その素材だけでも非常に高級なもの。
そこにオーダーメイドである特別な車のシンボルを取り付け、さらに裏側にはその表彰について彫りを入れるというこだわりよう。
時計が特別なものであった時代ということもありますが、ここまでしっかりとお金も時間も掛けて作られた時計であることが、贈られた方また贈る側のすばらしさを物語るものでもあります。
時計としても、手巻き時計全盛期の40年代を過ぎ、熟成の域に入る50年代のもので、アンティークらしさを持ちかつエレガントに着こなせる長方形。
横から見るとカーブを描いた形になっているのは、カーベックス等、カーブをした形が席巻した時代ならでは。風防の形もそれに合わせた特殊なもの。
上品な文字盤に光るゴールドのインデックスの中でも、一際大きく個性を見せるのが、車の形をしたシンボルマーク。
時計の由来も含めて、その作りも面白い、アンティーク時計ならではの楽しみを持つ腕時計です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
長方形のカーブをした時計で、この年代ならではの作りのもの。
そこに車のシンボルが入れられている特殊、まさに特別な時計で、クラシックカー好きの方なら、この姿に時計へのこだわりを満たされるはず。
車メーカーが出す現行品の時計でも、どんな最新式の時計でも、このような姿や満足感を満たしてくれることはありません。
アンティークだからこその、こだわりのある作りと、その時計が経た歳月そしてその由来は、そこにこそ価値があります。
状態
記念品に贈られたものということで、本当にほとんど使用感が感じられない物です。
ケースのサイドには細かな筋状の模様が見えますが、これはケースの切り出しの時に付くもので、磨けば綺麗に取れて鏡面のように仕上げることもできますが、このままの状態でも非常に綺麗であるため、あえて磨かずにそのままの状態にしてあります。
文字盤にごくわずかに経年による変化が見られるものの、全体的に非常に良い状態で、全体的にはこれ以上の状態は望めないほど良いものです。
希少性
時計の由来からも数の少ないもので、年代や形・状態等の要素も合わせると、非常に希少なものです。
贈り物
クラシックカー好きの方にはもちろん、愛好家としてこだわり尽くしている方にこそ、その姿と価値を楽しんでいただけるものです。
その時計の由来が知れる、そしてアメリカのクラシックカーメーカーに関わるメーカーのものであり、長きに渡って務めた職人に贈られた時計。
このような組み合わせや背景が非常に面白いもので、贈り物としては非常に味のあるものです。
どなたにでもお勧めできるものではありませんが、クラシックカーにこだわりのある方へのプレゼントとしてお勧めしたいものです。
備考
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