ダイヤモンドと美しい金彩装飾
アンティーク時計の中で、ひときわ面白い・お勧めしたいのが特徴のある懐中時計。
こちら、エルジンの懐中時計も、そんな特徴と面白さが楽しめる1点。
そっとポケットから取り出すと、こんな輝くような美しい時計が手のひらにあったなら。
そんな楽しみを感じさせてくれる1点だと思います。
この時代ならではのもので、素材も高級な金無垢のケースで、格子状のデザインにひし形と花という生垣のような組み合わせ、そしてそこにダイヤモンドのワンポイント。
ダイヤモンドの周りに広がる彫りの無いエリアは、この宝石を強調して見せるためのデザインであり、その反面も同様になっているのは、その部分にイニシャルなどを彫れるように同様のデザインとして空白の面が残されています。
時計を開いてみると、これもまた面白いもので、艶のある白色の文字盤には、非常に繊細な金の装飾。
時計の針自体も現代の時計とは全く違う、これぞ「アンティーク」という心地よい豪華な姿。
ローマ数字にこの装飾に針、時計の顔としても非常に綺麗なもので、時計の蓋を開いて頂くことが楽しくなってしまうこと請け合いの1点です。
こんなところも面白い
この懐中時計が作られていた時代は、現代のような機械での大量生産ではありません。
ケースの作りやデザインをとってみても、それぞれ一つ一つが職人というひとの手によって生まれたもの。
もちろん目を見張るような完璧さのものもあれば、こういったことも起こるのかと、納得させられてしまうのもこの時代の特徴。
この時計で言えば、それがケース装飾に当たるでしょう。
表裏の模様部分を見れば、それは本当に綺麗に繊細なものですが、ケースの内側の写真をご覧頂くと、ダイヤモンドを留めた時にできたと思われる凹みが、内蓋の部分にご確認いただけるかと思います。
あとから付けられたものでないことは、ダイヤモンドの位置から見ても明白ですが、こういった手作業で仕上げられたものが、「完璧」ではないにしても販売されていたこと。
穏やかでおおらかであった時代の面白さを、この時計から感じて頂けることかと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
小さな懐中時計ですが、デザイン的にも作りとしても、とてもしっかりした特徴があるもの。
サイズ的にもポケットに忍ばせやすく、紐やチェーンを付けておいて、ポケットからすっと取り出して見ているさまを想像してみてください。
ちょこんと書斎に飾られた姿、本を読みながらすっと懐中時計で時間を見てみる、贅沢な時間と物の使い方ではないかと思います。
100年ものの懐中時計、デザインの良さで「見る」楽しみがある1点です。
状態
ダイヤモンドとは反対側の外蓋になりますが、少しでっぱりのあるところがあります。
写真でもご確認頂きにくい程度で、光が当たると見えるという感じです。
またもう1か所、同じ面になりますが、蝶番に近い部分が軽く凹んでいます。
ただ蓋の開閉には問題が無く、こちらもあまりわかりにくい部分かと思います。
希少性
ダイヤモンドの施された金の懐中時計で、作られた数自体も少なくなります。
贈り物
若干軽いくぼみなどはありますが、それを加味しても時計自体はとても魅力的で、贈り物にもお勧めできる1点です。
備考