蓋を開けて時間を見るという楽しみ方
銀製のアンティーク懐中時計、その響きだけでも楽しくなってしまうものですが、もう1つこだわってみるなら。
それはハンターケースと呼ばれる、蓋付きの懐中時計がより面白いかもしれません。
蓋の無い時刻がすぐに見えるタイプ、これも懐中時計のスタイルとしては1つの形ですが、手を添えてリューズを押さえ、そして蓋を開いてから時間を見る。
時間を見ることに、さらにひと手間をかけるわけですが、こういった時間の使い方こそが贅沢なのだと気づかれるはず。
インターネットなど技術の進歩とともに、本来なら人がゆっくりする時間が増えるはずですが、そうはならないのが現代。
忙しさを感じているなら、こんな懐中時計を片手に、カフェでふっとこの時計の蓋を開いてみてはいかがでしょうか?
懐中時計時代の作り
この懐中時計が作られたのは、まさに懐中時計の全盛期という時代。
時間を見るのは懐中時計で、それが当たり前だった時代のもの。
おのずと時計を作る技術や素材にも限りがあり、それが形やデザインとして表れる。
白色の陶製の文字盤にブルースチールの針、見ると微笑んでしまうようなエルジンのロゴに、丸く特徴のあるリューズ。
ケースの表裏には彫りが施されていて、側面には細やかなコインエッジ。
愛すべきアンティークの特徴をしっかりと備えて、その時代を想像しながら、使って楽しんで頂ける形の懐中時計です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
程よいサイズの銀時計で、手のひらに取って頂いてもポケットに入れても、ちょうど良いという感じだと思います。
中型以上になると彫りも少し簡素なものが増えますが、この時計もそういったタイプの1つ。
銀特有の程よい寂び感があり、彫りも派手過ぎずシンプルで、使いやすいという側面もあります。
状態
あえて特筆するべき箇所でもありませんが、2時の2の右下付近に小さなくぼみがあります。
状態からは傷というものではなく、おそらく製造された当初のものかと思います。
希少性
こういった銀時計も状態の良い物となると、年々少なくなってきています。
贈り物
程よいサイズの銀時計で、全体的な状態も良く、贈り物としてもお勧めできる1点です。
備考