アンティークのらしさと見どころ
懐中時計を楽しむという時に、やはり見て欲しいのは、その時計が持つ個性・見どころというもの。
シンプルなデザインや作りを、「時計」として楽しむのももちろんお勧めですが、「ここが好き」という明確なものがあれば、所有してから先々も楽しめるというもの。
宗教的な形や特殊なデザインも1つですが、この懐中時計に施されている「鷲」こういった雄姿は、好きでいつづけることのできる、「これだから良い」と楽しみ続けられる大きなポイントではないかと思います。
この時計のケースに描かれているのは、盾をがっしりと力強く掴み、羽根を広げる大きな鷲。
とても迫力があって良い姿だと思われませんか?
実際には、鷲がこのような盾を掴んでいる姿というのは見ることはありませんが、こういったデザインは西洋の家紋などに用いられていたもの。
この時計にとっても、思い入れのある貴方にとっても、大きな意味のある象徴になってくれることでしょう。
青い数字の文字盤
当時の定番の文字盤はというと、陶製に数字は黒だけ、もしくは分の表示に赤の小さな数字を入れたりしているのがほとんど。
そんな中、この時計はちょっと変わっていて、数字自体が青色で、文字盤自体も単なる「白」ではなく、少し黄身がかったようなアンティークに似合う色合いの文字盤になっています。
また定番ものは青い針ですが、青の数字に青い針というのも良しと思われなかったのか、ちょっとひねりを利かせて金色になっているのも面白いところ。
ケースの内側には、1913年11月に贈られたことが彫られていて、時計の時代背景がしっかりとわかります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
鷲は獅子と並んだ空の王や百獣の王といった意味合いを持つ王者であり、西欧の国章や家紋に使われることの多いもの。
自分自身の思い入れとして、特別なアンティークを持つ。その時計を眺めるて楽しむ、なんとも贅沢ではありませんか?
アンティークの懐中時計、それだけでも甘美な響きですが、自分自身の好きな物・その象徴となるようなものとなると、あまり出会わない珍しいもの。
せっかくの懐中時計であるなら、行き切った特徴のあるものはお勧めです。
状態
写真にも掲載していますが、少しわかりづらいかもしれません。
表蓋・裏蓋の蝶番部分がある部分ですが、このあたりのケースの側面が凹んでいます。
写真ではわかりづらいと思いますが、本来なら丸く膨らみがあるのですが、そこが平面のようになっています。
おそらくそれが原因だと思われますが、リューズを押して蓋が軽く開いた状態からは、手を添えて蓋を開いて頂く形になります。
バネ自体は機能していますが、リューズを押すと軽く開きますので、45度くらいまでは手で開けて頂く必要があります。
希少性
大きな鷲の図柄でデザインに遊び心がある、珍しいタイプの1点です。
贈り物
蓋を開いて頂く際に、手を添えて開いて頂く必要がありますので、その点をご理解頂ける方にお勧めします。
備考