落ち着きのある腕時計
ニューヨークはマンハッタンのメイン通りである五番街。
アメリカの象徴であるこの通りに居を構えたのが、その名を知られるブローバ。
アンティーク時計自体はもちろん、クォーツに移り変わるその時代にも、特殊な時計を作り出したことでその名前が一躍知られるところとなりました。
歴史を踏まえそして新しい境地を開いていったのは、そんなブローバの立地にも関係していたのかもしれません。
この時計は、そんなブローバの1950年代後期のもの。
腕時計としての隆盛を極め、様々なものが作り出された40年代、そして50年・60年はそれぞれが定番化していく時代。
デザインがよりシンプルになりながらも、その時代の洗練された雰囲気のものが多くなった時代ともいえるでしょう。
黒と銀色・ダイヤモンドの上品な輝き
この腕時計の魅力は、なんといっても、その「シンプルさ」であり素朴さ。
3点のダイヤモンドと黒と銀色、そのコントラストをよりはっきりと、綺麗に見せるためにデザインが磨かれたものと言っても過言ではないでしょう。
シンプルな作りでありながら、ケースの形にしても、ラグの部分が少し横に張り出していたり、ちょっとしたところで手が加えてあるところも、味があって面白いところ。
文字盤の分表示を無くし、「時間を見るもの」から時計をよりファッション的なものへ。
時間なら携帯などですぐに確認できる時代になった現代でも同様ですが、そうなることで広がったデザインの妙。
すっきりとした姿の中に、黒とシルバーの色のコントラストが楽しめます。
また丸みがあり厚みのある特殊な形の風防が、時計により立体的な存在感を生み出し、さらにラグが少し長めに取られていることで、身に着けた際に、バンドは腕に回りますが、ラグの部分が少し出るようになっていて、時計自体の存在感を非常に感じていただける作りになっています。
店主のワンポイントと評価
総合評価
シンプルなデザインで着けていただきやすいのはもちろんですが、この時計の場合は、写真より着けていただいてその魅力をさらに感じてもらえる1点。
ベルトと並行に寝かせておいても、ちょっとその魅力を感じていただけないのですが、腕に回すとこの時代だから薄型でも良いはずですが、風防も肉厚、ラグも特殊な作りになっていて、バンドから腕時計が少し飛び出すように感じられるほど、非常に存在感を示してくれます。
アンティークならではの特殊なデザインと、この時計ならではの存在感。
とても楽しめる1点だと思います。
状態
特記事項はありません。
贈られたものということで、おそらく仕舞われてほとんど使われていなかったものだと思われます。
時計の裏側に、1958年7月15日に贈られた旨が彫られています。
希少性
年代的にはレトロという時代のものですが、状態面を考えると、とても珍しい1点だと言えます。
贈り物
デザイン的に面白いこと、着けていただきやすいものというのもそうですが、状態面の良さという点も合わせて、贈り物として非常にお勧めしたい1点です。
備考
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