激動の西欧と動き出す英国
英国を代表するアンティーク時計と言えば、その名前が挙がるのが、J.W.BENSONの名前で知られたベンソン。
略称の正式名称は、ジェームス・ウィリアム・ベンソン。
英国王室御用達の時計として、人気を博したメーカーでもあります。
この時計が作られたのは、西欧また英国自体も激動の時代。
隆盛を極めた大英帝国が、この年に発布されたウェストミンスター憲章によって、大きく変わっていく時代でもありました。
30年代から始まる、英国のチャーチルそしてナチスドイツの長い闘い。
そんな時代に作られた時計ですので、歴史好きにとっては、ひとしおの思い入れを持って使っていただけるものでしょう。
時計もまた大きな移り変わりを見せ始める時代で、新たに腕時計が興隆していくなか、懐中時計もまだまだ使われていた時代。
腕時計に負けないように、懐中時計の作りも大きく変わりを見せる中、このベンソンの時計は、新しさを追わずに古い作りを踏襲しているもの。
手に取るとずっしりと重く、風格ある重厚な作り。
昔ながらの陶製の文字盤に、これもまた昔ながらの味のある形をしたブルースチールの針。
ロンドンの名を冠す時計でもあり、ケースの内側にはブリティッシュメイドの刻印も。
コチコチとしっかりとした音と立てて動く様は、イギリスの古き良き時代を懐古するかのようで、動かすことが楽しくなります。
「古き良き時代」を守りそして伝える。
英国の情緒を感じることができる、雰囲気と風格のある時計です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
これぞ懐中時計という、まさに王道という作りを持つ1点です。
「時間を見る」という時計本来の、その目的にしっかりと沿った作りをしているのは、この当時にそれが必要とされていたものだから。
手に取って感じる重みが、この時計が過ごした時代と価値。
ポケットからおもむろに取り出して、懐中時計を手にして時間を見る。
その優雅な動作が楽しくなる、何度も見直してしまう魅力のある時計です。
状態
ケースに若干軽いくぼみなどが見られますが、全体的にはとても良い状態です。
おそらくどこかの時点で、交換されていることが原因ですが、吊り下げる輪の部分が、少し外れやすくなっています。
納品に際しては、ご了承いただけるようであれば、この部分の交換か補修をさせていただきたいと思います。
希少性
英国を代表するメーカーではありますが、生産数自体が元々少ないため、あまり数が無いものです。
懐中時計人気とともに、海外でも人気のメーカーですので、年々入手が難しくなっています。
贈り物
英国時計らしい風格のある時計で、持ち歩いていただくことまで考えるなら、男性への贈り物にお勧めしたい1点。
しっかりとした大きさと厚みがあって、手のひらに収めても、そして書斎に飾っていただいても、お部屋の華になる高級品。
贈り物として、とてもお勧めできる1点です。
備考
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