商品についての補足説明
個々の商品説明欄で説明させていただいている以外の、付属品や状態などについてご説明しています。
時計の製造年について
時計の製造年は、時計内の機械(ムーブメント)に刻印されている「シリアルナンバー」によって割り出されています。
時計メーカーの多くは機械にシリアルナンバーを刻印していて、その番号を元に作られた製造年がわかるようになっています。
シリアルナンバーが刻印されている機械で、メーカーの資料も残っている場合の製造年は正確です。
ただし、シリアルナンバーの刻印が無いものや、メーカー自体が無くなってから長い歳月が過ぎ、製造年の資料や情報が失われているメーカーもあります。
その場合は、機械やデザインの形・同系の時計が作られていた年代などからおおよそでの割り出しを行っています。
製造年に「1920頃」のような「頃」と記載のあるものは、10年前後の誤差が考えられますが推定による年代です。
同様に「1929年前後」のような「前後」と記載のあるものは、刻印やカタログなどから割り出されたもので、比較的正確ではありますが、前後数年程度の誤差が考えられます。
また懐中時計時代および腕時計初期の時代は、機械製造後に販売店によってケースに入れて販売されていたもの、所有者からの要望でケースが交換されていたこともあるため、厳密に言えば、必ずしも機械の製造年=時計としての製造年ではないこともあります。
【 1900年頃のメーカーの台帳 】
(実物のため画像処理をしています)
アンティーク時計の正確さについて
当店で扱うアンティーク時計は、製造されてから数十年、商品によっては100年以上の期間が経過しています。
アンティーク時計が作られた当時の技術は、デジタル時計や電波時計のような1秒の狂いも無い正確無比な時計を作り出す現在とは大きく違います。
当時の技術は時計が作られた時代によりますが、使用する際の時計の姿勢や角度による重力の向きの変化や、持ち運ぶ際の振動による振れの変わりによる影響、磁気や水を防ぐ機構もありません。
長い年月による部品のわずかな摩耗や歪み、また現在に至るまでに様々な時計師によって手がかけられていること等、時計によって過ごした状態は様々で、時計個々によっても状態差や個体差がありますので、必ずある程度の誤差を生じます。
当店では日常使いしていただけるよう、おおむね全ての時計で誤差が1日に±1~3分程度になるように調整を行っていますが、上記のような理由から、商品や使用状況によっては±5分程度の誤差がでるものもあります。
どの商品もある程度の誤差は必ずありますので、ご購入いただく際にこの程度までの誤差ならというご希望がございましたら、ご希望の商品の誤差について必ずお尋ねください。
30秒以内などの正確な精度については、商品の性質上お約束をすることができません。
誤差が無い時計をお探しのお客様は、現行品やデジタル時計をご利用ください。
装飾に使われている宝石について
装飾に使われている宝石は、簡易検査機器を使用して宝石の種類を鑑定しています。
年代的に古い時代に作られたアンティーク物ですので、良い素材の宝石が使われていることが多いのですが、検査機器では「等級・人工/天然」を判別することはできませんので、その点だけご了承ください。
ご依頼があれば、色・純度・傷などによる等級分け・正式な鑑定も行いますが、鑑定費用のご負担をお願いしています。
現在指輪などで一般的な「ブリリアントカット」など、宝石がより輝くように多面カットを施したものとは違い、アンティーク時計では年代が古いものほど、シングルカットなど非常にシンプルなカットになります。
指輪やジュエリーなどの鑑定および鑑定額について
等級や色などが商品価値に大きく反映される高額な宝石を持つ指輪などのジュエリーは、専門の鑑定士による鑑定を行っています。
商品によっては鑑定額もご案内させていただいていますが、ここで言う鑑定額とは、対象となる商品と「等しいものを用意する場合の費用」が鑑定額とされています。
テレビの鑑定番組で見られるような、見えない価値を評価した額ではなく、紛失や盗難などに対応するための保険金額などの算出に利用される、より実質的な評価額になります。
宝石やジュエリーについては、一般的にこのような基準で鑑定額が算出されています。
針や文字盤に塗料が使われている時計について
特に1920年~1930年前後の時計によく見られる特徴ですが、針や文字盤のインデックスに塗料が使われているものがあります。
ミリタリー系の腕時計によくあるもので、現行品の時計にも、針が光るように蛍光塗料が施されていますので、アンティーク時計よりも現行品の時計でご存じかもしれません。
古びたアンティークらしい雰囲気や、金属や陶器とはまた違った素材で、とても味わいのある素材ではありますが、これらは長い歳月によって劣化し、乾燥した泥のような状態になっています。
そのため、オーバーホールでは針を外す作業が必要ですから、どんなに丁寧に作業をしても落ちてしまうことがあり、経年による自然劣化や振動などお客様のご使用によっても塗料が落ちてしまうことがありますので、その点はご理解の上ご購入ください。
落ちてしまった場合も、できる限り修復はいたしますが、発色や素材はその当時のその素材、また長い年月の経過によってしか出せない物もありますので、同じ状態に復元できるわけではありません。
時計の部品について
アンティーク時計は、時計の年代によりますが、当店で扱わせていただいているものは、50年以上・100年以上が経っているアンティークです。
部品が「オリジナル」であることを求められるお客様もいらっしゃいますが、その時計が作られた時代背景、100年前といった時代をご想像下さい。
それぞれの時代によって、馬車・機関車・貨物船などで輸送していた時代。
時計が作られていた場所は、スイスやアメリカなどの限られた地域で、その国や中心地から離れたエリアほど移動や輸送が難しく、部品の調達も思うように行かなかった時代。
部品などの在庫も、手書きの帳面で付けられていた時代のことです。
こちらで入手する数多くの時計たちを見てみても、その修理の履歴と方法は驚くほどに千差万別。
その時代の部品の入手の難しさを物語るもの、腕の良い職人・そうでない職人、また素人のような方が手を掛けることもあったでしょう。
部品といっても、消耗品と分類されるもの、また破損や摩耗で欠損してしまった部品が、オリジナルでない部品・製作された部品などで補われることが当然であった時代です。
時計を正確に動かすには、もちろん多くの部品がオリジナルである必要はありますし、基本的には多くの時計は、当時のそのままです。
ただ固定するためだけのネジや、精度に大きくかかわらない部品・消耗品と位置付けられる部品では、代替え・製作などで代用される部品もあります。
そのためアンティーク時計では、当然ながら100%全ての部品がオリジナルではない場合もあります。
お店によっては、「全ての部品がオリジナル」であることを謳っているお店もありますが、消耗品として当然交換されるべき部品があります。
当店では、そのような事実を曲げるような告知をしての販売は行いません。
腕時計のバンドについて
商品写真の革バンドは写真撮り用です
腕時計の商品ページの写真にある「革バンド」については、基本的には写真撮り用のもので、お届けする時計に付属するバンドではありません。
写真用としての用途のみに、安価・無名で映りの良いものや、お客様にお届けできなくなった傷物のバンドなどを、写真撮影用に使用しています。
お届けする革バンドは、著名メーカー製の良いものを時計に合わせて、また入荷状況によって、その時にある良いものをお付けしています。
写真のものより質が落ちるものではなく、できるだけ良い品をお付けするようにしています。
バンドほど人によっての好みや、時計との組み合わせで違いが出るものはありません。
そのため、当店でお付けするバンドは、時計との組み合わせの良い質の良いものではありますが、お客様が時計を手に取られてから、お好きなバンドに交換していただくまでの、仮のバンドとしてお付けしています。
1本数百円の無名の安いバンド。
撮影には使っていませんが、写真から品質はおわかりいただけません。
当店では、このようなバンドは使用せず、良いメーカー製のバンドをお付けしています。
紐バンドや金属バンド・古いバンドは商品写真のものをお付けします
婦人物の腕時計の、紐タイプのバンドや金属バンドなどの特殊な作りのバンド。
また時計に元から付属していたような、古い革バンドについては、商品写真のバンドが付属します。
バンドは時計とお客様のスタイルに合わせて交換してあげてください
腕時計のバンドを交換することで、時計の雰囲気はがらっと変わります。
その姿は、時計がまるで生まれ変わると言っても過言ではないほど。
当店でお付けするバンドも、決して安いメーカーのものではありませんが、お好みのバンドに交換していただくことでこそ、時計の真価が発揮される。
まさに時計が輝くといっても良いでしょう。
【 バンドや背景による雰囲気の違い 】
同じ時計に、違ったバンドと背景を合わせています。
革の色や素材・模様の違い、縫い目の有り無し、色の違い、光沢の有り無しなど、時計バンドは、本当に多種多様。
バンドによって、時計との組み合わせた姿は全く違い、その時計と合うスタイルも違います。
時計が届きましたら、ぜひ時計と一緒に、ご自身のスタイルと時計に合うバンドを探しに、ウインドウショッピングに出てみてください。
バンドを選ぶ時に時計を見せて、店員さんとの話に興じるのも、アンティーク時計だからこそできること。
これから相棒になる時計と一緒に、自分だけの1本を探してみてください。
時計の商品名について
時計の商品名として使われている名前は、当店で時計に合った名前、もしくは時計の雰囲気やデザインをイメージしていただきやすい名前を商品名として採用しています。
当時の実際の商品名やニックネームの和訳であることもありますが、通常は当店で時計に合った名前を付けさせていただいています。
ブランド名や年式ではない部分で、例えば桃色・帆船・六角・プリンセスなど、色合いやデザインで特徴のある部分、雰囲気の合致する名称を、商品名の一部として採用しています。
アンティークの化粧箱について
時計によっては、メーカーオリジナルの古いケースが付属する場合もありますが、長い年月によって通常はかなりの傷み(傷・変色・破損)があります。
また長い年月の間に複数の方に所持されていたことも考えられ、ケースが違う年代のものに変わっていることも考えられます。
メーカー製のアンティークケースは、ケースだけでも非常に価値のあるものですが、当店ではあくまでサービスの一環としてお渡ししていますので、おまけ程度にお考えください。
紙や布・セルロイドやプラスチックなど、その時代背景を持った素材が使われていますが、どれも経年変化を受けやすい素材です。
懐中時計用チェーンの製造年について
チェーンの製造年は、銀無垢や金無垢のように、貴金属の含有度合・純度および製造年や製造場所を記したホールマークが刻印されている場合は、詳細な年代を知ることができることもあります。
ただそれ以外の一般的な金属・金張りやメッキ製品については、時計のようにシリアルナンバーや製造年を表す刻印がないため、基本的には詳細な年代を割り出すことはできません。
製造された年代は、チェーンの作りやデザインからの推測になります。
例えば、勲章のような形や着け方をするチェーンなどのように、特徴ある作りをしているものは、1800年代の後半から1900年代の初期に作られたものだというように推測することができます。
懐中時計用チェーンの状態と耐久性について
当店で販売しているチェーンは、懐中時計が十分吊るせるほどの錘を付け、耐久性を調べて万全を期しています。
ただし、古いものでは作られてから100年を超えているものもあり、見えない金属疲労や使用による耐久面での劣化は知ることができません。
チェーンが切れることは非常にまれですが、お使いいただく際は、チェーンが外れてしまっても懐中時計が傷まないように、万が一に備えてお使いください。
アンティーク雑貨の製造年について
時計掛けなどのアンティーク雑貨は、商品や素材によっては製造年を示す刻印(ホールマーク)があるため、製造年が特定できるものもあります。
ただしチェーンと同様で、刻印が押された地域によって、詳しい年代が特定できず、ある程度の幅があることがあります。
年代を特定できる刻印が無いものについては、基本的には詳細な年代を割り出すことはできません。
製造された年代は、アンティークの作りやデザインからの推測になります。
アンティーク雑貨の状態について
販売している商品ついては万全を期しておりますが、100年や50年といった長い年月にわたって使われていたものであり、商品によっては、外見からはわからない劣化のある場合があります。
見えない劣化や使用による耐久面での劣化は予測することできません。
ご購入頂く際には、この点についてご理解ください。
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