小さなナース時計タイプのアンティーク

一般的な小型の懐中時計と比べても、さらに一回り小さなタイプの懐中時計。
直径３センチほどと、とても小さなタイプなので、携帯するにはもってこいの便利で使いやすいサイズのものです。

どうしてこのような小さなサイズの時計なのかといえば、それは看護婦の方が携帯されていたナース時計タイプだから。
常に安全性と清潔さが求められ、腕までしっかりとした手洗い・消毒が必要なため、腕時計を身に着けることができなかった、看護婦の方のために作られ使われていたものです。
本来は、１２時がリューズとは反対側にあり、吊り下げると時計が逆さまに見えるようになり、手で持つと正位置になり時間が読めるものですが、この時計は横向きになっているものです。
同じ年代でほぼ同じ作り・機械を持つものでは、逆さまになるナース時計がありますが、この時計は何らかの意図を持って、もしくは普段使い用として、横向きに使われていたものだと考えられます。

とても小さな懐中時計ですが、この時代の時計らしさをよく伝えているもの。
文字もはっきりと大きく見やすいところ、針の特殊な作りなど、小ぶりなものながら、アンティーク感をたっぷりと感じることができます。

また時計を吊り下げるための革紐は、当時の物が未使用のまま入手できましたので、こちらでこの時計に合わせてあげました。
このようなＴ字バーの付いたタイプではなく、細い革紐を通してお使いいただくのもお勧めです。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A-

長い年月を経るうちに、時計の用途や目的も細分化されていきます。
車に載せる車載時計あり、ナース時計ありと、それぞれの時計の個性が面白いもの。
この時計も時代背景が楽しめることはもちろん、小さな懐中時計ということで、使い勝手も良く、現代に合わせた使い方を楽しんでいただけるものでもあります。
本来の目的のように看護婦の方に身に着けていただくのも良いでしょうし、スーツのポケットにそっと入るということでは、男性の方にも楽しんでいただけます。

状態　A+

特記事項はありません。

希少性　A-

状態の良いものとなると、入荷が難しいものです。

贈り物　A

看護婦の方や腕時計をされない方にプレゼントしていただくには、使い勝手の良い小さな時計であって、アンティークらしい面白いもの。
デザイン的に面白いものですし、時計を耳に当てて、コチコチと時を刻む音を聴いていただくと、手巻き時計の楽しみをより感じていただけます。
贈り物としても、時計の１つのジャンルとして個性が楽しめるものです。