商品のご紹介
銀無垢の懐中時計用のチェーンとしては、これは1つの高みに届いているものだといえるでしょう。
懐中時計が全盛期であった1900年頃のこと。古くから伝わる技法や装飾など、懐中時計本体やジュエリーにそれらが施されていることはありますが、シンプルな作りが多かった銀無垢のチェーンに関しては少し事情が違い、このように作りの良いチェーンというものが非常に少なく、とても希少なものになっています。
特にこのチェーンのように、端々まで凛とした気品や作りの良さ、しっかりと手をかけて作られたことが感じられる商品自体はとても珍しいもので、その作りの良さは写真をご覧いただければ、本当に一目瞭然。
チェーンそのものにしても、3本のチェーンを組み合わせた特殊な作りの物であり、かつ、それぞれの端には、手彫りの留めが利かせてあるという手のかけよう。
長短合わせて3本のチェーンから成り立っているわけですが、それぞれに飾りが取り付けられているため、6つの小さな楕円の飾り留めがあることになります。
またチェーン中央部には、六角形の大きめの飾りが2つ。
これも飾り自体の形が六角形ということからも、そこに特別さを感じていただけるもので、他になかなか見る作りのものではありません。
さらにチェーンを掛ける部分が、一般的なT字のバーではなく、釣り針のようなフック型になっているのも大きな特徴。
バーの場合は、ボタンホールに通していただくという手間があるのですが、これはボタンの後ろのボタンが縫われている部分に掛けていただくだけなので、取り付けや取り外しも便利。
そして、外観的にも、留めの部分からすべてが表側に出ているため、フックからのチェーンの流れが非常に自然な形になっています。
また先端に取り付けられている、獅子と銀貨の飾りも非常に趣のあるもので、英国の獅子そしてエリザベス女王の銀貨という組み合わせのものは、その当時ではある組み合わせではありますが、実際にこのように組み合わせられていると、非常に味わいのあるもの。
銀貨を入れているケースは、くるくると回る作りになっているのも非常に面白いところで、身に着けていただく時に、表裏を選んでいただけるのはもちろんなのですが、このチェーンを付けていると、ついついクルクルと回してしまうクセがついてしまいそうなほど、とても心地の良い回転をするものでもあります。
スポーツの試合前に硬貨を投げて、表裏を当てることがありますが、これもある意味で同じことができるもので、ちょっと迷ってしまったときに、くるくるっと回して占いのような楽しみ方ができるのも、この商品のちょっと違った側面的な楽しみでしょう。
チェーンに施されている飾りの彫りは、この時代ならではの手彫りのもの。
チェーンの中に、いくつか同じ装飾部分がありますが、同じデザインでありながら、彫りはまったく同じではない、少しづつ違った線や形が見えるのは、「いびつ」ではありながら、人の手仕事の良さであり、アンティークにあっては、歓迎される誤差であり楽しみです。
この商品は、作りの良さやデザインの良さ、すべては言うに及ばずで、それぞれが写真ですべて伝わってしまうような、それぞれに大きな魅力が詰まっています。
銀貨の飾りは、ケースにある刻印から1891年のもの。チェーンもつくりなどから、その時代のものだと推測されるものです。
このチェーンを合わせていただくなら、サイズ的には絶対に中型以上でやや大きめの懐中時計に合わせてあげてください。
チェーン自体のデザインや存在感はもちろんのこと、チェーン自体にもしっかりとした幅があるので、小さな時計ではチェーンの存在感に負けてしまいます。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ここまで綺麗な作りのチェーンはめったにお目にかかりません。
現代にあっては、作ってほしいと思っても、作ってもらえるものでは無く、やはりこの時代のこのような作りや技法が残っていた時代のものだからこそというものです。
懐中時計を持つと、チェーンもいろいろと揃えてみたいものですが、好きな時計に合わせる最高のチェーンということで、こういった1本を持ってしまうと、次のチェーンに手が出せなくなってしまうほど、非常に特別でとても魅力的な1点です。
状態
経年による使用感や軽度の劣化はありますが、非常に良い状態です。
希少性
このような特殊な作りのチェーン自体が珍しいものであり、状態の良いものとなると本当に数がありません。
同じ作りのものはなかなか手に入りませんので、次回の入荷があったとしてもお待ちいただくのは年単位です。
贈り物
デザイン的にも状態的にも、非常に優れた1点。珍しさでも群を抜きます。
贈り物としては、ここまでのものを贈られると、贈られた側が恐縮してしまうような作りのものです。
備考
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