存在感抜群の豪華アンティーク
懐中時計を懐に仕舞う。着けている姿は、シックなチェーンでお洒落に。
そんな落ちついたアンティーク時計の楽しみ方もあれば、それこそ懐中時計が使われていた時代のその当時、「ステータス」として時計やチェーンを「見せる」こと。
こういった使い方も、懐中時計を持つことの意義でもありました。
現代で言えば、多くの方がロレックスを着けていることに似ているかもしれません。
ただ現代と違うのは、誰もが同じものを着けているような現代とは違っていました。
時計そのもの自体にこだわり、そしてその身に着け方にもこだわる。
当時はそれこそ、こだわりにしても、まったく違うこだわり方ができていたことが、昔の時計からわかります。
このオメガの懐中時計もまさに、そんな見せることも楽しむための1点。
懐中時計自体が高価なものであることはもちろんですが、この懐中時計に合わせられている飾り。
サイズや厚み・立体的な形には、驚かざるを得ないところでしょう。
この飾り部分の裏側は、クリップ状になっていて、服やズボンに挟み込んで留めることができる作りになっています。
この飾りを留めて、そして短いチェーンの先に懐中時計を繋ぐ。
なんとも豪華な見た目ではありませんか?
クリップの裏側には、2つのフックがあり、ここにもチェーンを留めてさらに左右にチェーンを繋ぐといったこともできる作りになっています。
オメガの特別な懐中時計
見た目としては、飾りの部分が大きく豪華ですので、懐中時計が添え物のように見えてしまうかもしれません。
しかしながら、やはり価値としてはオメガの懐中時計が大半を占めるところ。
100年以上前のオメガの懐中時計、当店でも扱いはありますが、こういった特殊な形の金時計は希少なもの。
金自体の価値は昔も高価で、それは当時も同じこと、24金では柔らかすぎるため、時計に使われたのは18金まで。
豪華な素材を用い、ケースの周り・吊り下げる輪に至るまで非常に綺麗な装飾が施されていて、それは時計の裏面にまで。
花をモチーフに、時計を彩る綺麗なデザインで、空白面は鏡面ではなく、うっすらと模様が入っているのもご覧頂けるかと思います。
特殊な作りのケースであるため、磨かなくて良い、ピカピカの鏡面に磨くとその魅力が失われてしまうため、メンテナンスという点でも非常によく出来た作り。
ローマ数字で格好良いシンプルな文字盤に豪華な針、時計の装飾や合わせられている飾りとの組み合わせも美しく、とても作りの良い1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
とても綺麗な装飾の施された小ぶりのオメガ。
大きな飾りとの組み合わせで、誰にでもお勧めできるものではありませんが、特別な1点であることは写真からもお分かりいただける通り。
時計だけを使って頂くのも良し、全てをしっかりと着けて見せて楽しんで頂くのも良し、また机の上の置時計のように、眺めて楽しんで頂くのも良し。
内蓋には贈り物として受け取られた方のフランス系のお名前、Marie Mosel Dufour n Genayと刻印が入っています。
その見た目だけからでも、100年という時代が伝わる希少品です。
大きな飾り部分は、真鍮・メッキ品ですので、金無垢ではありませんし、時計に合わせられたものでオメガのものではありません。
ただ総じての雰囲気も良く似合っていて、色味としても黄色系の金色で時計の色合いに合っています。
状態
特記事項はありませんが、大きな飾り部分のチェーンは下地が出ています。
また背面のクリップの部分のメッキは落ちていますが、使い込まれたことがわかるように、特有の艶が出ています。
希少性
懐中時計自体だけでも珍しい希少なものです。
贈り物
これをそのままお使い頂くものとして贈るのは、よほど好みのわかった方でないと難しいものです。
しかしながら、携帯できる小ぶりの懐中時計、またこれをそのまま飾って眺めてお使い頂けると考えると、贈り物としても非常に価値のあるものであると思います。
備考
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