文字盤は白だけじゃない
懐中時計といえば白い文字盤という、定番のスタイルが変わり始めるのが1920年頃。
機械の精度や作りという点での競争から、腕時計時代への移行とともに、懐中時計の外観への取り組みも変わる。
時計自体の形が変わり、そして素材という点で金属の文字盤へ色を付けるというのも、この時代の取り組みの1つ。
金色の文字盤のような、ちょっと濃いめの辛子色という色合いの文字盤。
時計の顔である文字盤の色が変わることで、懐中時計のイメージ自体が大きく変わる。
かなり大胆な取り組みであって、アンティーク懐中時計の選択肢としても、大きな魅力の1つになってくれるものだと思います。
イリノイの懐中時計
機械の作りの美しさから人気のあるイリノイ。
創業地のイリノイ州の名前を冠した時計メーカーで、その歴史は古く、他のアメリカの老舗メーカーと並びます。
ただ時計メーカーとしては、1920年代後半にハミルトンに買収される形で終わってしまいますが、この短い懐中時計時代にファンがつく、懐中時計ではちょっとした隠れた人気のあるメーカーです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ちょっと傷や経年劣化などもありますが、色味という点で、他の懐中時計とは違った魅力がある1点かと思います。
ケース自体も写真ではお分かりいただきにくいのですが、黄色ではなくローズ色といった色合いになります。
サイズ的には大型という分類をしていますが、大型の中でも少し小ぶりで中型と大型の中間といった、使い勝手の良いサイズです。
どなたにでもお勧めできるものではありませんが、ちょっと違った雰囲気の懐中時計を楽しみたいという方には、明確な違いが楽しめる1点です。
状態
写真で少し目立たせて撮っていますが、裏蓋に軽い窪みのある個所があります。
また写真では少しわかりづらいのですが、文字盤にも同様に経年劣化があり、人によってはまったく気にならないような状態かもしれませんが、角度によってはそれが見えますので、目立たせて撮っている写真を掲載しています。
希少性
色味や作り等から作られた数自体が少ないものになります。
贈り物
贈り物としても面白い1点かと思いますが、傷・劣化や色味という点で、万人受けするものではありません。
備考