復刻したいでもできない、それがこんなアンティーク
腕時計のコレクターを唸らせもしながら、ちょっとがっかりさせたりもするのが、アンティーク時代の腕時計の復刻版。
その元となったモデルが人気になったりもしますが、この腕時計もそんな復刻版の元となるような時代のアンティーク。
腕時計としても、ロンジンが時計メーカーとして脂が乗っていた、勢いのあった時代のもので、コレクターにも好まれている時代のものでもあります。
この時計のデザインをご覧頂いて、「あれ?どこかで見たことが」と思われたら、それはアンティーク時計として、とても人気のあった時代そして作りのものだからとも言えるでしょう。
でもこのデザインでもっと状態が良かったら、新しかったらどうですか?
どうだろう?とそう思われたお客様なら、やはりしっかり見ていらっしゃる方だと思います。
時計もこれだけの歳月を経ると経年変化が起こるものですが、劣化とみるのか熟成とみるのか、それは人それぞれ違います。
しかしながら、この腕時計のような深みを得るのは、長い歳月もそうですが、デザインであったり素材であったり、保管されていた状況であったり、さまざまな要素が上手く重なり合った時に生まれるもの。
この腕時計は、そんな要素がしっかりと絡み合った「アンティーク」として美しい1本だと言えるでしょう。
20年代のデザインの美しさ
懐中時計から腕時計へと変わる一つの要素として、「軍事用」という1つの大きな流れがありました。
時計として携行性を高めるために、機械は小さくなり、そして視認性という点では、インデックスや針に蛍光塗料が使われた時代。
この時計はそういった時代背景をしっかりと盛り込んだ、そんなミリタリー要素・デザインを持った1点。
この時代のロンジンを復刻した腕時計をご覧頂いた方なら、はっとされたかもしれませんが、この時計のインデックスや針はまさにその復刻版と重なるもの。
なるほど、その時代の流れを受け継ぐものだと、はっきりとお分かりいただけるものかと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
ケースなどは傷を残したままほぼ磨かずに、この時計の雰囲気を損なわないようにしています。
「熟成された」という表現がぴったりの時計ですので、着けて頂くなら、ピカピカに磨き切るのではなく、この雰囲気を楽しんで頂きたいところ。
また付属している時計のバンドは、その状態や作りからですが、おそらく当時のもの。
現代のバンドとは違い、尾錠などの作りも違いますが、革の素材としてかなりの年数が経っていますので、状態としては良いものの、若干朽ち始めてはいます。
とはいえ、できればこのバンドのままお使いいただきたいものです。
バンドはワイヤーラグという作りになりますので、バネ棒タイプのバンドは取り付けることができません。
状態
この素材でこの年代であれば、状態としては非常に良いと言えます。
経年劣化・変化もありますが、このタイプであれば、熟成としてプラスとして考えて頂くものかと思います。
希少性
素材からもここまで状態良く、しかも雰囲気良く残っているものとなると珍しくなります。
贈り物
サイズ的には女性の方にも着けて頂けますが、時計のデザインや雰囲気からも万人受けするものではありません。
自分自身へのプレゼントとしてお勧めしたいものです。
備考
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