アンティークの「ならでは」が見える1点
アンティーク時計は、おおむね40年代を境に大きくそのデザインや作りが変わります。
1930年代までの個性的な作りから、よりデザイン性を重視した形に変わっていきます。
それはそれでもちろん良い「変わり方」なのですが、実はその30年代頃までには、それまでの時代にしかない面白さがありました。
デザインであったり、素材であったり、その作り方であったり。
「時計らしさ」という点では、現代らしさがないのですが、それがアンティークではかえって面白いところなのです。
この時計は1940年に贈られたものでありながら、それまでの時計の良さ・面白さをしっかりと残した1点。
時計の作りやデザインをご覧頂いてもお分かりいただけると思いますが、いかにも大量生産に向かない形をしていると思われませんか?
それだからこその、個性であったり味であったりというものを楽しんで頂ける1点です。
時代のわかる品
この時計の裏には、1940年8月27日に贈られたことが彫られています。
こういった意味でも時代的な価値、時計が作られた年代のしっかりとわかるものであり、ロレックス・チュードル製の金時計という価値もしっかり感じて頂けるものです。
この時計のケースに刻印されている、手のマークと「HANDLEY」の文字は、特にオーストラリアのアンティーク時計に見られるもので、特にロレックス・チュードル、ロレックスの系列であったユニコーンというメーカーのケースを作っていたことで知られています。
当店のあるオーストラリアで入手した品ということで、地理的・時代背景も楽しんで頂ける1点かと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
時計のデザインとしては、一世代前で40年代のものとはいえ、雰囲気や作りは前時代的。
時代的には1920~30年頃に見られたデザインになっています。
それだけに時計のデザインとしては面白く、とても個性的な雰囲気を味わって頂けるものかと思います。
文字盤もただ単に金色ではなく、少し模様が入っているのもご確認頂けるかと思います。
バンドは、ワイヤーラグという巻き込むタイプになります。
状態
ケースの表側は凹凸のあるデザインですが、若干角などに凹みなどが見られます。
希少性
チュードルのアンティーク、またデザインや作りとしても特殊で珍しいものです。
贈り物
当時としては一般的なものですが、サイズとしても小さめです。
現代の時計と比べると、デザイン的な面でも大きく違い、この時計ならではの楽しみ方を考えて頂けるものかと思います。
備考
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