趣きある「古さ」に惹かれる
アンティーク時計の魅力を感じて頂くのに、この時計はその魅力をしっかりと伝えてくれる。
比較的珍しいとされている、特に1920年代・30年代の初めに作られた腕時計は、比較的数や種類も少なくて、あまりご覧頂く機会がないかもしれません。
この腕時計は、そんな時代に作られた当時の時計メーカーの「試行錯誤」が見える1点といえるでしょう。
ちょうど時代的には、懐中時計から腕時計へと時代が移り変わる頃。
形のないものを作り出すわけですから、現代の「腕時計」という完成形に至るまで、そこには様々な形やデザインはもちろん、その当時の手法や技術が詰め込まれていました。
この時計をご覧頂くと、現代のように完璧ではないものの、この時代だからこそという特徴や個性が盛り込まれているのがお分かりいただけると思います。
違いが生み出す魅力の数々
この時計をご覧頂いて、「何の形?」と尋ねられると、すぐには言葉が出てきませんね?
現代の時計には、丸型・トノー型など定番の形といったものがありますが、この時代は腕時計の黎明期。
時代が進んで「定番」が生み出されるまでに、ケースの形はもとより、風防(ガラス面)の形すらも、多種多様で様々な形のものがありました。
この時計で特徴的なのは、ケースの形はもちろんのこと、ケースの表面また側面にも装飾が入っていることで、このようなデザインは現代には見られないものでしょう。
その模様にしてもしかり、表側の枠の幅やその取り方にしてもそうですが、現代の時計とはまったく違った魅力を感じて頂けるはず。
蛍光の数字と針も、針の塗料は取り除かれていますが、現代にも見られるような特徴が、この時代にはすでに使われていたことに驚かれるのではないでしょうか。
店主のワンポイントと評価
総合評価
少し経年劣化や傷などもありますが、この時計のスタイルを考慮してわざとそのように残している部分。
特殊なアンティーク時計ということや、バンド自体も昔のものになりますので、ちょっと古びた・枯れた雰囲気をお楽しみ頂ける1点になっています。
当たり障りのないデザインのアンティーク時計もありますが、このように魅力や個性満載の腕時計を着けて頂くのがアンティークとしては面白いもの。
ジーンズなどカジュアルに合わせて楽しんで頂けるという意味でも、使い勝手も良く、楽しんでお使い頂くという点で、とてもお勧めの1点です。
カジュアルという点では、女性の方にもお勧めできるものですが、バンドは革バンドにして頂くほうが、服装などに合わせて頂きやすいかと思います。
状態
ケースの裏面にはポツポツと経年劣化もありますが、あえて時計の味として残している部分です。
針も塗料自体は抜いてありますが、ご希望でしたら新しく塗料を入れ直してお届けすることも可能です。
またバンド自体も古いもので、写真でもご紹介していますが、金具の部分には錆びが出ています。
引き通しという1本のバンドで、時計の裏側を通すスタイルになっています。(通常のバネ棒タイプのバンドも取り付け可能です)
希少性
デザイン的に特殊ということもあって、元々の数も少なく、現代になって人気が出ている形になります。
贈り物
カジュアルに使っていただける腕時計ということ、またまず間違いなくお持ちではない部類の時計だと思います。
少し経年劣化がありますので、そのような点をご考慮頂ければ、贈り物としても非常にお勧めの1点です。
備考