ぐっと心を掴まれる、これぞという「彫り」
これぞという懐中時計に出会う時、そのものに惹かれる理由はさまざま。
時計の持つ佇まいであったり、大きさであったり素材であったり。
それでも、なかなか「これぞ」という、自分の中での究極の突き詰めたモノに出会うのは、なかなかあるものではありません。
見ておいてよかった、出会ってよかった。
そんな特別な1点、尖って怪我をしそうなほどの個性を持った時計、それを持つことができるのはとても幸せなものです。
そんな個性を持った懐中時計をお探しの方に、ぜひお勧めしたいのがこの1点。
モチーフ自体もとても趣きがあって良いものですが、それを引き立てるのは、ぎらつくような力強さの伝わる彫りと模様。
写真からでは少し伝わりにくいところもありますが、横から見ても厚みがわかるほどの立体感。
指先で触ると、ゴツゴツしたその凹凸がわかるほど。
懐中時計の表にも裏にも側面にも、そして懐中時計を掛ける輪やその首にも。
時計とは、時間を確認するもののはずですが、模様のある裏面に魅入ってしまう。
磨き切って白銀というピカピカの状態にすることもできますが、それこそまさに野暮というもの。
この模様にこの深さは、明らかに銀特有の黒ずみが出ることも計算されてのもの。
このあたりをご理解頂ける方なら、ぜひにとお勧めしたい1点であること間違いなしです。
定番と特別を分けるもの
シーマといえば、日本国内にも多く入っていたスイスの時計メーカー。
国内でアンティーク時計をお探しになられていても、比較的簡単に目にすることのできるメーカーの1つです。
ただ当時の日本とヨーロッパを比べると、そこに展開されていたものには大きな違いがあります。
この懐中時計の作りにしてもそうですが、当時としては定番の陶製の文字盤にブルースチールの針。
ですがいわゆる「ありきたりなもの」とそうでないものには、表に出る名前以上に大きな違いがあります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
やはり時計のデザインが、見ても持っても心地よい。この一言に尽きるものだと思います。
ケースに施された装飾は、なるほどと目を見張るもので、飽きの来ないとても良い構図。
銀製ということで、黒ずみはしますが、それがこのような彫りの深い時計にさらなる深みのを与えます。
それでいて、この時代ならではの、シンプルなまでの時計の顔。
とても趣きがありながら、素朴さも併せ持つ。
コチコチと動かすことが楽しくなる、気持ちのよい1点だと言えるでしょう。
状態
特記事項はありません。
希少性
色々な彫りや模様・装飾がありますが、これはとても心地の良い・仕上がりの非常に良いもの。
年季を重ねて、その価値に深みが増す、そういう意味でも非常に珍しいものです。
贈り物
贈られて恐縮するような、とても良い雰囲気のある1点。
ただ置いておくだけで、時計から伝わるような価値が感じられるものだと思います。
贈物としても非常にお勧めです。
備考