英国紳士の身だしなみ
現在のイギリスを考えればヨーロッパの一国ですが、古き大英帝国時代には、世界で最大の版図を築き上げた世界最大の帝国。
富も名誉も英国に集まっていた時代がありました。
この懐中時計を送り出したのは、その英国王室ご用達であったロンドンのブランドであるベンソン。
英国紳士たちの憧れの時計メーカーでもあったベンソンは、英国に留学をしのちに戦後復興を担った白洲次郎が愛用したメーカーとして、日本でも知られています。
この時計が作られた時代の英国では、まさにシャーロックホームズが記され、名宰相チャーチルたちが活躍した時代。
彼らの胸元には懐中時計とチェーンが提げられていました。
舞台となった英国に思いをはせて、この時計を楽しんでいただくというのも、このアンティーク時計の楽しみ方の1つでもあるでしょう。
上品かつ風格ある定番
この時計の魅力は、アンティーク懐中時計といえばこれだと、人々が思い浮かべる疑いようのない姿。
この時計をポケットから出せば、「これはアンティークの懐中時計だと」すべての人が納得するような風格ともいえる姿を持っています。
現在でも色褪せない、まるで作られた時代からタイムスリップをしてきたような、時計がもっとも時計らしい姿をしている飾り気のない素朴な形。
懐中時計時代の全盛期を彷彿とさせる、白色の艶のある文字盤にブルースチールの針。
腕時計へと時代が移行する中、もっと小型化そして薄型にできるはずでありながら、ひと昔前の重厚さをそのままに。
愚直なまでに時計らしい姿は、シンプルでありながらも芯のある魅力にあふれています。
店主のワンポイントと評価
総合評価
映画にみるような英国紳士のように、書斎に飾って楽しんでいただいたり、映画の主人公のように銀時計に銀の鎖を合わせて楽しんでいただくのも非常に面白いものです。
シンプルなデザインと作りを持つ時計ながら、これこそが英国時計らしさという、歴史に培われた風格と重厚感が楽しめます。
細かな装飾が施されている懐中時計も良いものですが、このように質実剛健といった言葉がぴったりとくる、シンプルで素材やデザインに芯のある時計も、内からあふれるような風格が楽しんでいただけて良いものです。
時計の銘であるベンソンとその地ロンドンの名前は、その組み合わせだけで、持つ人の心を躍らせてくれるもの。
時が流れても、その姿と佇まいが愛される銀時計です。
状態
特記事項はありません。
触られる部分ではありませんが、表蓋がちょうつがい状になっていますが、若干芯棒に摩耗が見られます。
しっかりと食い込むタイプのため、蝶番部分自体が必要ではなく、再生自体もできますがするまでもない状態ですので、あくまで補足まで。
希少性
英国を代表するメーカーではありますが、生産数自体が元々少ないため、あまり数が無いものです。
懐中時計人気とともに、海外でも人気のメーカーですので、年々入手が難しくなっています。
贈り物
古い英国時計らしいシンプルながら、「いかにも懐中時計」という芯のある作りで、時計の銘やロンドンという響きも、贈り物としての価値を高めてくれます。
作りの良いもので状態も良く、贈り物としてもとてもお勧めできる1点です。
備考