深みのある「寂び」という美しさ
わびさびの「寂び」の意味を調べると、そこには「閑寂さのなかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ」とあります。
長い歳月を経ることによって、変わりゆくその姿、その色合いに魅力を感じる。
そういった「寂び」の美しさを感じて頂けるのが、このウォルサムの腕時計の大きな魅力でしょう。
この時計を手に取った時に、綺麗にしてあげるのではなく、このままの姿で出してあげようと、ひと目で思った品です。
その理由は、写真からでは少しお分かりいただきにくいかもしれませんが、この時計が醸し出す雰囲気や状態の良さ。
初めてこのような時計をご覧になられると、マイナスのイメージで、少し「変色」していると思われるかもしれません。
でも、いくつもご覧になられたことがある方、この素材についてご存じである方なら、まるで奇跡のような1点だと思っていただけるはず。
文字盤に軽い変色こそありますが、それはこの時計の価値を高める、アンティークという「深みを表現」している大きな個性に育っています。
そして文字盤にある数字のフォントの、なんともいえない味のある形に針のスタイル、色合い、見事に調和されていると思いませんか?
また時計自体にしても、ケースの形がとても個性的で、それ自体も非常に味のあるもの。
もとより、このような姿になり魅力が生まれるのには、そのものの「元」になるものも大きく関係しています。
この時計のような風合い・色合い、そして魅力ある姿になるのは、そうなるべくしてなったものですが、同じ域に達するものはごくわずか。
「美しいまま」に歳を重ねるのは、奇跡的な確率で、同じ時計であっても同じようにはいきません。
写真では伝わりづらいところですが、時計のバンドも、スタイルや状態からおそらく当時のもの。
少し固くなっている部分はあるものの、あまり使用された形跡がみられないもので、とても状態の良いものです。
これらを総合して見て頂くと、おそらくほとんど使われることなく保管されていたものなのでしょう。
スタイルとしても、この現代で身に着けて頂くと、バンドも合わせてカジュアルにより一層楽しんでいただけるもの。
これぞアンティークだからこそ、時計が過ごしてきた奇跡的な状態によってこそ培われる、至極の1点といえるものでしょう。
現代だからこそ惹かれる作り
大人が楽しめるカジュアルさを持つ時計といっても、新しい時計でここまでの魅力あるものに出会うことはないのではないでしょうか?
現代の新しい時計に見られる、昔のミリタリーものの復刻版なども確かにカジュアルではありますが、新しすぎるその作りは、カジュアルに見えるだけ。ではないでしょうか?
この時計のような、芯の通ったカジュアルさ、大人が胸を張って着けることのできる・見せたくなる相棒、「イカシタ」ヤツという言葉が似合うのは、やはりこのような1点だけでしょう。
店主のワンポイントと評価
総合評価
バンドの状態1つを見てみても、ほとんど使われることの無かったものなのでしょう。
それに加えて、時計が作られた時代、当時のスタイル、その中でたまたまこのようなデザインが状態良く残り、という色々な偶然の産物と言えるものです。
名の通った高級メーカー、時代の名機と言われる時計もありますが、見比べていただければ、その良さは一目瞭然。
「これを着けて」いるご自身の姿、何を着よう・どこに行こうと、ご想像が膨らむ1点だと思います。
これを逃すと、同じものはまず手に入らないというものでしょう。
状態
経年変化は出ているものの、それこそがこの時計の魅力です。
少し擦り傷などはありますが、磨きなどもしていない状態ですので、とても状態の良いものです。
希少性
希少性という意味では、元々このような魅力あるデザインで同じ時計、その数が少ないのはもちろんですが、このような状態で残っているのは奇跡というものです。
贈り物
一見してアンティークとお分かりいただけるもので、この手がお好きな方なら、打ち抜かれるような衝撃を感じて頂ける1点だと思います。
備考