細やかな装飾の光るエルジンの金無垢アンティーク懐中時計【1900年頃】

繊細で上品な美しさが心に伝わる

アンティークには、古いから良いもの、しかしながら「古い時代に作られたものだからこそ良いもの」が存在します。
懐中時計とは、まさにそういった言葉の当てはまる最たるものの１つと言えるでしょう。

このエルジンの懐中時計をご覧頂くと、その言葉の意味が、その外観から伝わるというもの。
「金無垢の懐中時計」もちろんその言葉だけでも、とても魅力的なものです。
でもそれぞれを比べてみると、どれも大きく違うもの、そして自分だけの心に響くものがあるものです。

ケースの一面に施された細やかな模様、そしてケースの中央また縁の部分には違った模様が施されていて、それだけでも華麗で上品なもの。
手に持って眺めて頂くことはもちろん、それを手にした時に、これは綺麗な物だ、価値のあるものだと伝わるような美しさがそこにあります。
そしてポンっと小気味よい音を立てて開く蓋の内側には、１００年の昔に引き戻してくれるような「アンティークのそれ」が現れます。
文字盤は時計の顔と言われることがありますが、なるほど、このような作りであればこそ、「顔」と言えるのだろうとご納得いただけるはずです。
豪華な針と美しく対をなすのは、薄いターコイズ色・水色のような背景に、金と銀で施された文字盤自体への装飾。
美しい骨董美術の陶器のように、小さなものであるだけに、それらが小さな空間に埋め込まれているかのような美しさがあります。

１００年物という時代の表現

この時計を持って頂いた時に感じて頂くのは、「１００年」という時間の経過と、またその反対にそれを感じさせないというのも魅力としてあります。
大切に仕舞われていたものかもしれませんが、そこにはまるで今作られたのような状態の良さがあり、それとともに、現代からは考えることのできない、アンティークだからこその精巧さが目を引きます。
アメリカを代表するエルジンとウォルサム、当時の時計といえばスイスという時代から、大きく時代の波を起こしたメーカー。
現代でもエルジン社の、根強い懐中時計のファンや、腕時計に至るまでコレクターがいるように、長く続いた年数だけ、魅力のあるメーカーであるといえるでしょう。

店主のワンポイントと評価

総合評価　A+

★★★★★

時計の顔である文字盤側の綺麗さはもちろんですが、シンプルに見えるケースも非常に繊細緻密。
一見してわかる大胆な構図も良いものですが、このように面に対してびっしりと刻まれた模様は、一見してシンプルに見えますが、それに対比するように、実際に見た時の感動・驚きをさらに増してくれるものでもあります。
小さな懐中時計ながら、見どころの多い心地よい１点です。

状態　A+

★★★★★

特記事項はありません。

希少性　A+

★★★★★

金無垢の物自体が比較的少ないもので、同じものとなるとなかなか手に入らない珍しいものです。

贈り物　A+

★★★★★

写真からも伝わるように、ケースの美しさ、また蓋を開いた時の感動も楽しんでいただける作りの良いもの。
手に取っていただくと、自分のものにしてしまいたくなるような綺麗な時計で、贈り物としてもとてもお勧めできる１点です。