見せて楽しむお洒落
ファッションや身だしなみ、時代が進むとともに洗練されていくものですが、時代とともに回るもの。
そして昔と大きく違うのは、時代が進むごとに「省略されていくもの」というのが現代の流れです。
着飾ることができるのは、それこそがステータスであった時代から、一般にも広く普及が進み、今度はどんどんと省略されていく。
ドレスコードはもちろん、女性のドレス、男性の礼服・スーツなどにしても、クールビズ等の試みが見られる以前には、多くの部分で省略化されていきました。
しかしながら、それとともに起こるのは、多様性と揺り戻し。
古き良き時代を懐かしむように、それを知らない世代にまで、新鮮なものとして見直されているのがアンティーク。
昔の形を現代のセンスで、自分の形で取り込んでいただくのが、新しいアンティークの楽しみ方といえるでしょう。
懐中時計と対をなすような装飾性
銀製のいろいろな懐中時計をご覧いただくと、ケースの表面に彫りが施されているものが多いのに気づかれると思います。
このチェーンは、この時代のそのような銀の懐中時計と、対をなすような装飾性を持っている1点。
チェーンの両端に装飾彫りのある飾りを備え、中央にはチェーンに沿って動く、彫りの綺麗な飾りが取り付けられています。
またチェーン自体も3本の複線になっていて、写真では少しお分かりいただきにくいのですが、少しだけ長さが違っているのですが、これは取り付けた時に、短い側を内側に、長い側が少し垂れ下がり、チェーン自体の形を綺麗に見せるためのもの。
見えないところですが、細やかな技法が施されていて、この当時ならではの作りの良さが見て取れます。
そしてチェーンの先端には、両面に色の綺麗な石が施された飾りがあり、これはクルクルと回る作りになっていて、1902年に贈られた旨が側面に彫られています。
懐中時計を合わせて頂くなら、少し幅広の存在感のあるチェーンになりますので、中型から大型の懐中時計がお勧めです。
店主のワンポイントと評価
総合評価
チェーンのその作りを見れば、明らかにアンティークとわかる、一目でわかるという雰囲気そして存在感の良い1点。
せっかく懐中時計をアンティークでこだわるのなら、チェーンも「それ」と一目でわかる品を合わせてあげたいもの。
昔の勲章のような形で、合わせる時計はもちろんのこと、着けて頂く方の個性すら、しっかりと見せてくれるもので、非常に特別な1点です。
状態
石のふちや石を留めている枠の部分に軽い欠け等が若干あり、経年変化や使用感はありますが、状態の良い1点です。
小さな輪が連なっている複線のチェーンは、少し絡まりやすいので、丁寧に保管して頂ける方にお勧めします。
希少性
金色のチェーンでは見かける作りですが、銀製の物では比較的数が少なく珍しいものです。
贈り物
作りとしてもとても味のあるもので、存在感のあるチェーン、アンティーク感のあるチェーンをお探しの方には、とても良い贈り物になる1点です。
備考
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