人の手によって生み出された時計という美術品
今では高級時計ブランドとして、誰もが知る「オメガ」ですが、現在の名前になったのは、実は他のメーカーと比べると、それほど古くはありません。
オメガ社が制作した「オメガ」という名前の機械から、それがのちに社名となったのが1903年のこと。
オメガの以前の前身を含めると、歴史のあるメーカーですが、この時計の歴史の古さを感じていただけるのではないでしょうか。
そしてこの時代の懐中時計が、他とは違うのは、しっかりと手が掛けられていること。
そのものとして、しっかりとした作りであることはもちろんですが、それを手にした方も、その大切な物をより大切に。
この時計のように、ケースに手彫りを施したり、時計をより自分の「もの」として、手を掛けられている点など、大切にされていたことが良くわかるのも、この時代の時計の特徴と言えるでしょう。
ふわりと伝わるアンティークの良さ
年代の古い懐中時計ならではの、個性をたっぷりと含み、それが合わさることで、その時計ならではの雰囲気が生み出される。
写真をご覧いただいても、おそらく伝わるものがあるかと思いますが、この時計の良さは、そこから伝わる雰囲気の良さにもあります。
アンティークらしさを引き立てる、ローマ数字のインデックスに豪華な短針と長針。
この時代の無垢ケースならではの色味でもありますが、味のある雰囲気が伝わる上品で優しいローズ色の針とケース。
そして一番の特徴であるのは、ケースに施されている装飾。
側面、そして表側・裏側のふちには、立体的な葉の模様が施されていて、時計の裏側中央には、手彫りでのイニシャルが彫り込まれていることがわかります。
現在では手掛ける方も減ってしまっているものですが、当時の職人の腕の見せ所ともいうべき、繊細でかつ美しい洋彫り。
イニシャルでAそしてWが組み合わされているものですが、イニシャルでありながら、それが美しい装飾であるかのように。
昔の家紋・紋章なども同様の手法で彫られていますが、このような洋彫りも、やはりアンティーク時計の華といえる特徴です。
品の良いスーツやベストに、そして懐中時計のチェーンを合わせて。
懐から取り出されるのは、100年を超えた熟成された雰囲気を漂わせる懐中時計。
そのような姿をご想像いただくだけで、自分を表現する逸品として、所有する意義を与えてくれる1点かと思います。
店主のワンポイントと評価
総合評価
年代の非常に古いオメガの金無垢懐中時計ということで、現代の主流になっている時計とは大きく違い、その歴史を楽しんでいただける1点かと思います。
現在の時計メーカーをけん引しているような、そんなメーカーでさえ、アンティーク時代には、その時代ならではの時計を作っていたものです。
お持ちのコレクションと並べて頂いた時に、はっと目に飛び込んでくるのは、こういった人の手によって作られた、温かみと特徴のある時計ではないかと思います。
状態
ケース裏側に少し窪みがあります。
写真をよくご覧頂くと、文字盤のΩマーク付近に、いくつか小さな点がありますが、文字盤が作られた当時の小さな気泡のようなものです。
希少性
ケースに装飾や貴重な手彫りが施されている無垢ケース、かつ年代も古く、とても珍しい1点です。
贈り物
オメガファンの方はもちろん、そうでない方でも、手に取っていただいて、アンティークの雰囲気そして価値が伝わるような1点。
少しケースの窪みはあるものの、長い歳月や使用されていたアンティークであることを考えると、やはり状態としても良くとても貴重なものです。
アンティーク時計を楽しんで頂くにしても、このような違いのある1点からご覧いただくと、その感動もひとしおかと思います。
備考
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