NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」に当店の時計をお使いいただきました

ページ内の目次

ご利用いただいた時計と役者様のお名前
ご用意させていただいた時計にまつわるエピソード

秋山真之を演じる本木雅弘様の懐中時計
広瀬武夫を演じる藤本隆宏様の懐中時計
児玉源太郎を演じる高橋英樹様の腕時計

時計をご用意させていただいた際のお話し
長らくご紹介をしていなかったのは
ドラマに使用されたものと同じ商品をご希望のお客様

ご用意させていただいた時計にまつわるエピソード

秋山真之を演じる本木雅弘様の懐中時計

登場シーンとしては、８話の終盤で命令書が開封されるシーンで、指定された開封時間を確認する場面。
秋山真之の手のひらの上で、５時を指している時計が大きく映し出されます。

秋山真之を演じる本木雅弘様の懐中時計

第１２話の序盤に、艦上で時計を手に握りしめている姿の時がありますが、懐中時計と確認できるほど映っていません。

秋山真之を演じる本木雅弘様の懐中時計

この時計は、ウォルサムの銀無垢の大型サイズの懐中時計。
懐中時計としては定番のオープンフェイスで、大きめの見やすいサイズのものでした。

広瀬武夫を演じる藤本隆宏様の懐中時計

第６話の終盤で、恋人であるロシア人、アリアズナから広瀬武夫に懐中時計を贈られるシーンで登場します。
当時の使われ方を良く研究されているのがわかりますが、懐中時計のチェーンにロケットが取り付けられていて、その中にはアリアズナの写真が収められています。
その次の登場は、第９話の終盤、広瀬武夫が亡くなるシーンでした。

広瀬武夫を演じる藤本隆宏様の懐中時計

こちらも銀の懐中時計ですが、エルジン社のもので、中サイズのものになります。
蓋付きのハンターケースと呼ばれる形のもので、販売させて頂いた当時は、作中に登場したような、アリアズナのイニシャル「Ａ」の文字は蓋に彫られていませんでしたので、撮影に際して彫られたものだと思います。
当時の洋彫りとはスタイルが違い、彫りの甘さがありますが、国内で洋彫りをされる方もほとんどいらっしゃらないのと、旧字の洋彫りだと読みづらく、一瞬では読めないので、このようなはっきりとした彫りになったのでしょう。

広瀬武夫を演じる藤本隆宏様の懐中時計

【当店で収蔵している広瀬武夫のドイツの絵葉書】

児玉源太郎を演じる高橋英樹様の腕時計

登場するのは本当にわずかな一瞬のみですが、第１１話の中盤で、腕時計で時間を確認する場面。
昔の懐中時計を腕時計に作り替えたタイプのウォルサムの金無垢時計でした。

児玉源太郎を演じる高橋英樹様の腕時計

ワイヤーラグと呼ばれる、ワイヤーが時計の両側に作られていて、懐中時計を腕時計として使えるタイプになっています。
短針と長針の２針のみですので、軍用に使われていた時計ではないものだと思いますが、高級将校ということで、この時計が選ばれたのでしょう。
バンドには幅広の革バンドが取り付けられていますが、おそらく当時の腕時計のバンドのスタイルをお調べいただいて、制作されたものだと思います。
これも良く研究をされたものだと感心しますが、お届けした際には、現代風な革バンドをお付けしていました。

時計をご用意させていただいた際のお話し

ドラマ撮影用の時計のご購入ということで、最初のお話を頂いたのは２００７年６月。
まず最初にエルジンの懐中時計のご注文を頂きました。
ところがこちらの手違いで、別のお客様にお届けするはずの「懐中時計チェーン」を届けてしまうという間違いを起こしてしまいます。
幸いにも、間違えてお届けをしたお客様にご説明をして、商品を交換して改めて商品をお届けをしました。

そして最初のエルジンの懐中時計をお届けしたあと、１週間ほどして、ウォルサムの懐中時計のご注文を頂き、それから２か月ほど経った後になりますが、ウォルサムの腕時計のご注文を頂き、合計３点を納品させて頂きました。
後日、完成したドラマを見終わってわかりましたが、この時計の注文順がそのまま、時計が登場した順番になっていました。

今思えば、当時はまだホームページを通じて商品を購入するということが、まだまだ少なかった時代。
特に海外から販売をしているのですから、信用という意味では、本当に無いに等しいところでした。
ご注文をいただいた経緯から考えると、当初から決めていらっしゃって、順番にご注文を頂いたのでしょう。
そんな時代に、海外にある当店からご購入を頂いことには、本当に感謝の気持ちしかありません。

知らなかった時計の用途

ご注文を頂いてからお届けが終わり、２００８年５月にとあることで、またご連絡を頂くまで、実はこちらは何のドラマにお使いいただくのか、まったく知らされておりませんでした。
この時に初めて教えて頂いたのですが、この時点で「坂の上の雲」撮影開始から半年というお話で、クランクアップするまでには、まだ２～３年というお話をお伺いしました。

ドラマや映画撮影などの小物として、時計の貸し出しも行っております。
ご用命がございましたらぜひお声をおかけください。
撮影用の貸し出しについては、詳しくはこちらをお読みください。

撮影用の貸し出しについて

長らくご紹介をしていなかったのは

前述しました通り、このドラマに使われていることは、放送開始前からわかっていたのですが、一部のお客様にお知らせをしていた程度で、長らくホームページではご紹介はしていませんでした。
その理由は、「その時期を逃してしまった」というのが一番正しいのかもしれません。

今では当たり前のように、日本のテレビをリアルタイムで見ることができますが、このドラマが放送された当初から放送が終わるまで、インターネットで日本のテレビを見ることができる環境にはなかった、というのも１つの理由です。
日本のインターネットの回線速度自体もまだそこまで早くなっていない時期で、オーストラリアの回線はもっと遅く、テレビなどをインターネットで綺麗に見ることができませんでしたので、リアルタイムに見る・お知らせするということができない時期でした。
また運よくなのか運悪くなのか、こちら自体も、経営方針などを大幅に替えて、急激に伸びたインターネットでの販売の対応をさせて頂くだけで精一杯というのが、当時の状況でした。

ＤＶＤが発売された時点で、ご案内をさせて頂いても良かったのですが、期間が空いてしまったことや、この１つの案件だけをご紹介するのもと、なぜか当時の私はお知らせすることを良しとは思えなかったのです。
その後もドラマなどの撮影用にということで、お声をおかけ頂いたりもしたのですが、条件の悪さやご用意させて頂く期間がない案件ばかりで、断り続けていたのもその理由です。
この当時のことを振り返ると、もうちょっとうまく立ち回れば良いのにと思う程、どれだけ頑固だったんだろうと、冷や汗をかく思いです。
この１件から、ＮＨＫの大河ドラマ「いだてん」でお声をおかけ頂くまで、ほとんどメディアに登場していなかったのには、そのような理由がありました。

今回、改めてご案内させていただくことになったのは、年月の経過で私自身が丸くなったというのもあるかもしれませんが、「いだてん」でお使い頂いたことを境に、メディア様からお声をおかけ頂くことが多くなり、わかる範囲でメディアに登場する案件をご案内しようということになりました。