時代を感じる素材や作りの違い
腕時計そして懐中時計、時計がその時代ごとにその姿を変えていたように、時計に使われていた素材や技術も、その時代ごとに違います。
精度を競い合っていた時代から、機械の薄型・小型軽量化の競争、そしてデザインや作りなどの外観の違いまで。
長い時計の歴史をたどっていくと、その中できっと好みの時計が見つかるものです。
当時、金や銀、そしてのちのステンレスになるニッケル系の素材、この3つが時計の素材として使われていた時代。
どれも錆びない・錆びにくいもので、貴金属としての価値という一面もありますが、年月を経ても、時計の機械の動作に影響しにくいということで、これらが使われてもいたのです。
今では考えられないことですが、長い歴史の1ページを感じさせてくれるもので、この時計のように、錆びてしまう素材がケースになっていた時代もありました。
ガンメタルの黒光りする渋さ
この時計の特徴としては、最も魅力的な点は、時計のこの色合いでしょう。
当時の主流であった、鏡面のような滑らかな表面のステンレスや銀などとは違い、鉄系の素材でガンメタルと呼ばれるものですが、黒光りをするような光沢を放ちながら、表面が少し荒れたようなマット調の質感を持っています。
アンティークの古さ・カジュアルさ、特にミリタリーや銃の好きな方だと好まれる色ですが、この素材が使われていることで、非常に綺麗な「古さ」が際立ちます。
リューズ・吊り下げる輪の部分だけ色を変えているのも、また全体の雰囲気としてとても良いもの。
当時の懐中時計の特徴である、陶製の文字盤にブルースチールの針など、この姿をお好きな方にとっては、ぐっとくる魅力を持っている魅力的な1点です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
色合いや雰囲気としては、非常に良い姿をしている懐中時計で、この点に関してはとてもお勧めできるもの。
ガンメタル素材のケースとしては、状態自体も非常に良く、傷や目立った錆びも出ていない状態の良いものです。
カジュアルに身に着けていただくには、もってこいの雰囲気を持った1点だと思います。
ただ素材として、経年や保管状況によって錆びる素材になりますので、その点をご理解いただける方にのみお勧めします。
状態
この素材としては軽度なものですが、劣化しやすい素材のため、傷や経年劣化などはあります。
希少性
ガンメタル素材としては、この素材の特性上から、時計のケースとして使われた期間が短期間であったため、比較的珍しいものです。
かつ錆びなどがあまり出ていない状態面の良いものとなると、珍しさがある1点です。
贈り物
贈り物としては、ケース自体が錆びやすい・劣化しやすい素材であるため、その点をご理解いただける方にのみお勧めします。
ガンメタルという色合いに魅力のあるものですが、ケース内・噛み合わせの部分での錆びは、長い目で見ると進行するもので、どうしても機械・部品の中にも、錆びが発生しやすくなります。
備考
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