アンティークの風格が伝わる1点
懐中時計時代そして腕時計時代を通して、当時の技術力・信頼性という点からも非常に評価の高かったブランドとして挙げられるのが「ロンジン」。
当時の時計の機械が数々の賞を受賞していたこと、またアンティークとしても、特に一段と高い人気を誇ることからも、ロンジンの良さがお分かりいただけるのではないでしょうか。
アンティーク好きの方に尋ねると、「ロンジン」と答える方が多いのは、こういったメーカーの姿勢や生み出された時計の良さから。
ただ単に古いだけではなく、機械に対してのこだわりや老舗高級メーカーの中でも、デザインへのこだわりが強かったことから、数多くの特徴と個性溢れる時計を作っていたことでも人気があります。
懐中時計時代から腕時計の時代へ。
大正時代は時計にとっても、大きな変革の時代に当たりますが、ロンジンはその中でも優れた形・デザインを残したことでも知られています。
この四角い時計などは、時代の変わり目の特徴を備えた、その最たるものと言えるでしょう。
個性ある特徴と見事な熟成された美しさ
この時計の特徴としては、この時代のこのロンジンならではの、アンティークとしての雰囲気や作りの良さが大きな魅力。
ちょうど懐中時計から腕時計へと切り替わる時代のものですが、その中にあって、懐中時計とは明らかに違う、比較的「腕時計」としてのスタイルがしっかりと確立された初期頃のもの。
そのような時代背景もあって、とても個性的な作りになっているのが大きな特徴と言えるでしょう。
時計の顔となっている文字盤と針がとても個性的なもので、この数字の書体や雰囲気が何とも言えない良い雰囲気を醸し出しています。
また針の形も非常に特徴的なもので、この文字盤のスタイルととても良く合っています。
写真でご覧いただくと、少し荒れが目立ってしまうのですが、実物としては非常に良い雰囲気がある、とても良い枯れ具合という状態の良さ。
例えるならば、長い歳月をかけて丁寧に熟成されたブランデーのように、この時計も100年の時をかけて熟成された円熟の味。
写真だけではうまくお伝えできないのが残念なところですが、この古さという味を楽しんでいただくなら、ぜひにとお勧めしたい魅力のある1点です。
またケースのデザインも、これもまた腕時計初期時代のものならではですが、側面に彫りが施されているのも大きな特徴。
四角い形で個性があり、かつ取り付けられるバンド幅も、アンティークでは比較的珍しいサイズの20ミリ。
カジュアルなスタイルで楽しんでいただくなら、バンドもちょっとカジュアルに遊んでいただきたいところでもあります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
写真だと文字盤の荒れや色味具合が、正しく伝わらないのが残念なところ。
実物は経年変化が非常に綺麗なもので、数字や文字盤の色味具合が何とも言えない色合いをしています。
この年代のアンティークだからこそという良さが非常に良く出ていて、ロンジンのお好きな方なら、ぐっと引き込まれる魅力があります。
バンドをよりカジュアルなスタイル、ミリタリー的なものに変えていただくと、時計の雰囲気としてはガラッと変わります。
20ミリ幅という、この時代では珍しく、合わせられるバンドが幅広であるのも、着こなしていただく点では大きなポイントになるもの。
時間に急かされない、ゆったりとジーンズ姿などでプライベートに楽しんでいただける時計のスタイルだと思います。
状態
使用や経年による変化も出ていますが、それぞれが時計の味としてプラスに捉えていただくもの。
ケースのほうは綺麗に仕上げ直しをしますので、雰囲気の良さをしっかりと使い込んでいただけるものです。
希少性
この年代のロンジン自体が貴重で、デザインの特殊なものほど希少になっています。
贈り物
美しい古さという意味での「枯れ具合」といっても、どれも同じではなく、このように均一な美しさを持つものは非常に珍しいものです。
贈り物としては、日本的な侘び寂びという世界観、アンティークの古さ、その価値をご理解いただける方にのみお勧めします。
備考
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