100年の歳月を楽しむ懐中時計
アメリカの時計メーカーとして、特にアンティーク懐中時計では、ウォルサムとその人気を二分するエルジン社。
特に懐中時計時代に趣きのある作りの時計が多く、腕時計時代に入っては、軍用時計などに特徴があり人気のあるブランドです。
この懐中時計も、作られてからすでに100年以上が経っていますが、その外観はその古さを感じさせないほど。
ですが、その装飾の手法や製作された当時の技術は、1800年代後半の懐中時計全盛期のそのもの。
手に取っていただいて心地よいものであることはもちろん、懐中時計という姿・形、そして耳を付けてコチコチと動く音を聞くだけでも、心惹かれる魅力があります。
ほど良い装飾の美しさと作り
アンティーク懐中時計という中にあって、ケースに装飾が施されているものは、それだけで目を引きます。
懐中時計の下側から上に伸びるように、勢いを感じるデザインに、心地よい彫りの美しさ。
側面にもしっかりとコインエッジの装飾が施されていて、それがケース表蓋・裏蓋のふちにも施されているため、側面から見た時計の姿もまた趣きがあります。
またリューズの姿もなんともいえないもので、陶製の文字盤にブルースチールの針と、当時としては定番の作りではありますが、これらの特徴もまた魅力的です。
年代的に古いもので、機械は剣引き式・レバー式と呼ばれるもの。
リューズを引いてから回すものではなく、5時付近の外側にある、小さなレバーを引き出してから、リューズを回して時刻を合わせるという、一世代古い作りになっています。
このような特殊な操作をして楽しめるというのも、一世代古いタイプのアンティークだからこそ楽しめる魅力です。
店主のワンポイントと評価
総合評価
懐中時計としては、この時代では1つの定番の作りです。
ただそれだけに、色々な魅力が詰まっていて、「楽しむ」という点においては、とても良い組み合わせを持っているものです。
サイズも大きすぎず小さすぎずで、持った感覚もほどよいもの。
側面のコインエッジなど、全面にしっかりと手を掛けてありますので、蓋を閉じていても眺めてしまう魅力ある1点です。
状態
ごく軽い窪みがありますが、全体的に非常に良い状態です。
希少性
作りとしては当時の定番、特別に珍しいものではありません。
ただ装飾や状態面などを考えると、同じものとなると難しいものです。
贈り物
サイズとしても程よいもので、外側の装飾・側面の美しさ、時計を開いてからのアンティークならではの作りは、初めて懐中時計を持つ方の心に響くものです。
定番とは言いながら、探してみると、同じものがないことや状態やデザインの良さを改めて感じていただけるものだと思います。
贈り物としても、とてもお勧めできる1点です。
備考
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