オメガの風格ある100年物
時計自体が非常に高価な時代であり、かつ時計と言えば懐中時計のことというほど、懐中時計が全盛期であった時代。
今からすでに100年をゆうに超えた時代のものであり、日本は明治時代、人々が普通に着物を着ていた時代の物。
現代も続く高級メーカーであるオメガは、この時代にもその名を轟かしていた時計界の雄。
この懐中時計の内側にある受賞メダルをご覧いただくと、1900年のパリ万国博覧会で受賞したことが刻印されていることでもおわかりいただけるのではないでしょうか。
(よく間違った説明がされていますが、ケースの受賞メダルについては、この時計そのものが受賞したものではありません。)
歳月という風格が伝わる「寂び」の美しさ
この懐中時計の美しさは、その素材と作られた時代から表れる、その雰囲気の美しさ。
当時の文字盤の定番といえば、陶製の白い艶のある素材が一般的でしたが、この時計はこれから先の時代に定番となる「金属製」の文字盤を備えているところが大きな特徴。
少し経年変化をしているものではありますが、何といってもこれこそがわびさびの「寂びの魅力」。
経年変化をほとんど受けない陶製に比べて、金属製の文字盤は経年変化を受けやすいものの、この時計については、それがごく軽い程度に出ているだけ。
それが時計の色や雰囲気に、さらなる深みを与え、その姿はまるで熟成したウイスキーのよう。
そして時計の顔である文字盤のデザイン自体も、またそんな雰囲気にとても良く合うもの。
ローマ数字のインデックス表示で上品かつ落ち着きがあり、文字盤そのものには中央部分に立体的な波状の模様が施されています。
さらには長針と短針の針の装飾も素晴らしく、アンティーク時計の「作りのアンティークらしさ」そして外観の「雰囲気の良さ」が伝わります。
店主のワンポイントと評価
総合評価
表からご覧いただいても、裏からご覧いただいても、アンティークのそのらしさを楽しんでいただけるもの。
オメガの腕時計をお持ちの方なら、陶製の綺麗な姿の懐中時計も良いものですが、このように年季というほど良い枯れ具合を加味した1点も、また対として持つにはぜひお勧めしたいもの。
大きさにしても、大型サイズではありますが、手の中に収まるほど良い大きさで、心地よい重さを感じさせてくれるものでもあります。
状態
文字盤に少し経年変化が見られますが、写真でかなり拡大してご覧いただいてのものです。
実物の状態としては、この素材・年代としては非常に状態の良いもので、手にしていただくと、その雰囲気の良さしか感じられない程度のものです。
ケースに少し傷やくぼみなどもありますが、ごく程度の軽いものであり、アンティークの味として見ていただくべきものです。
希少性
比較的定番であった銀時計ですが、このような文字盤でかつこのような程度の良さ、雰囲気の良さを持つものは珍しいものです。
贈り物
陶製の白い文字盤を持つ懐中時計であれば、さらに綺麗には見えるのですが、この時計の文字盤から生まれる「風格ある古さ」は感じられません。
雰囲気などもとても良いもので、贈り物としても非常にお勧めできるものですが、この「アンティーク感」をより楽しんでいただける方への贈り物として、ぜひお勧めしたいものです。
備考
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